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profile:山本ふみこ
随筆家。1958年北海道生まれ。つれあいと娘3人との5人暮らし。ふだんの生活をさりげなく描いたエッセイで読者の支持を集める。著書に『片づけたがり』 『おいしい くふう たのしい くふう 』、『こぎれい、こざっぱり』、『人づきあい学習帖』、『親がしてやれることなんて、ほんの少し』(ともにオレンジページ)、『家族のさじかげん』(家の光協会)など。

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2014/03/04
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カテゴリ:生活

 前回、友人の有り様(よう)を「変態」、「変態」と書いていたら、すっかり変態づいてしまった。何を見るにも、「変態」を想像する。すれ違う散歩の犬さんに「変態は?」と訊いて吠えられる。
 われながら頓狂(とんきょう)なことである。これはきっと、わたし自身の「変態願望」である。
 ひとは願望を持つだけで、そこへ近づくもののようだ。

 願望を持つだけでそこへ近づくものだとすると、願望の持ち方には気をつけないといけないことになる。そこで、わたしはしばし、「変態」に願望を持つことはどうだろうかと考える。
 ……いいんじゃないかと思えた。
 「変態願望」を持つことを支持したい。そう思った。
 とは云え、とつぜんひと皮剥ける(脱皮である)わけはなく、また、あたらしい手足が生えてくるわけではない。
 つまらないなあ……。
 ヘビやカエルの向こうを張って、これまでのわが変態を省みるうち、そんな時期には、がらりとあたりの風景が変わることがあったのに思い当たった。気がつくとまわりの人間関係が変わっていたとか、仕事の内容が変化していたとか。みずからの「変態願望」は支持したいが、大がかりな変化を受け入れる覚悟はあるのかと問われたら、威勢よく「ありますとも」とは答えにくい、いま。
 「ちょっとならありますとも」、「少しずつなら、かまわないです」というのが正直なところだ。
 そういうわけなので、いつものやり方を少し変えることにしてみた。
 
 遠まわりをして目的地まで行く。
 甘いものを食べる。
 ヒョウ柄の服を買う。
 仕事の順番を変える。
 夜道でスキップする。

 やり方を少し変えるだけで、ふだんしないことをしてみることで、「変態」とまではゆかないものの、自分の殻を壊す練習ができたような。


 
ブログ梅のつぼみ.jpg
庭の梅の、蕾。
雨上がりの様子です。
花の色は、薄紅。
梅は褒められようとして咲くのでなく、
「変態願望」なんかというおかしな考えも持たず、
ただひたすらに咲くのです。






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最終更新日  2014/03/04 09:35:23 AM
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