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カテゴリ:うふふ日記
父逝く。
ごく縮めて記すなら、このような最期(さいご)だった。 3月12日、昼過ぎ。 近所の中華料理店にひとりで出かける。 めあては老酒(ラオチュウ)と餃子である。母を誘ったが、母は「餃子はけっこう」と云って留守番宣言をす。 老酒をひと口飲み、餃子をひとつ食べたところで倒れる。 持病の大動脈瘤が破裂、急性貧血で眠るがごとき死だった。 いろいろなことがあって(検死とか)、父は家にもどらなかった。 弟が父に会いに行き、わたしは実家に母と残る。 「あなたは、おとうちゃまのベッドで寝なさい」 夜になり、母が何を思ってかこう云ったので、その通りにする。父の寝台には、父の匂いが染みこんでいた。思えば……、子どものころからこの日まで、父の寝台にもぐりこんだことなどなかった。枕に頭をのせ、横を見ると小机に雑誌「ユリイカ」がのっている。2006年の藤田嗣治(ふじたつぐはる*)特集号だった。美術の愛好家で、みずからも日曜画家であった父は、昔から藤田嗣治の作品をこよなく愛したのだった。あらためて、藤田を研究していたのだろうか。 雑誌には2008年11月−2009年1月開催の「没後40年レオナール・フジタ展」(上野の森美術館)のチケットの半券と、新聞切り抜き2点、それに「大分麦焼酎」の領収証(2013年)がはさんであった。新聞の切り抜きは、どちらも長きにわたり愛読していた毎日新聞のもので、ひとつは藤田嗣治の大作修復を総指揮したフランス・エソンヌ県のアン・ル・ディベルデル・フジタコレクション担当学芸員のはなし(2008年)。ひとつは「ユリイカ」編集長による編集余話(2006年)で、「『ユリイカ』は、ギリシャ語で『我発見せり』という意味」というところに赤い線が引いてある。 切り抜きはそれぞれ、「没後40年レオナール・フジタ展」と、藤田を特集した「ユリイカ」に関連しているものと思われる。なんだかたのしくなってきて、わたしは電灯のひかりをたよりに、夜更けまで雑誌と切り抜きを読んだのだ。 父が、父らしく逝ったことがわたしのこころを明るくしていた。同時に、わたしのなかに、父から受け継いだものがたくさん生きて蠢(うごめ)いているのを感じることができた。それにそれに、寝台から見渡せる父の書棚にならぶ膨大な書物は、わたしを今後、あたらしい世界に導くだろう。 この世とあの世に隔てられはしたが、不思議だ、父とのあいだが縮まった。 次ぐ日、弟のお嫁のしげちゃんと、わたしの長女が、「おとうちゃまが夜いらしたような気がする」「わたしのところにも、おじいちゃまが来たよ」と話し合っていた。 「ふんちゃんのところは?」「お母さんのところへ会いに来た?」としげちゃんと長女が同時に訊く。 「わたしのところ? 来なかったよ。しげちゃんたちのところに向かうとき、『どうしておまえが、ぼくの寝台で寝てるんだ?』と顔をしかめてわたしの上空を通過したかもしれないな」 * 藤田嗣治(レオナール・フジタ) 1886−1968 東京都出身の画家・彫刻家。 1913年(26歳)パリに渡る。モンパルナスの裏通りの同じアパートには、イタリアからやってきたモディリアニがいた。パリの寵児となるも、日本画壇は藤田に冷淡だった。さらに戦争中、戦争画を描いたことを戦後画壇に責任追及され日本との亀裂が決定的なものとなる。 藤田の業績が日本において真の意味で見直されたのは、近年と云ってよいように思う(山本記)。 父は満90歳で逝きました。 父とは顔を合わせると本のはなしをし、 展覧会に行き(連れて行ってもらい)、 大人になってからはたくさん酒を飲みました。 これからは、読むたび、鑑るたび、飲むたび、 父がやってくるでしょうね。 それを考えると、 おもしろく読み、 自分勝手に鑑賞し(ひとに合わせたりせず鑑賞するのが約束でした)、 愉快に飲まなければならないなあ……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[うふふ日記] カテゴリの最新記事
ふみ虫さま おとうさま 突然、旅立たれたんですね。 心よりご冥福をお祈りいたします。 いろんな思いが重なって さみしいとか悲しいとかを こえて より近く感じる きっと これからのふみこさんを 支えてくださいますね。 お別れは悲しいけれど… 今夜 お灯明、ともして祈っています。 (2014/03/17 01:44:44 PM)
ふんちゃん
突然の、御別れだったのですね…。 ふんちゃん お父様の匂いが染み込んだ、寝台で過ごされた一夜 ふんちゃんのこころのなかを想像して 胸がつまり ことばがみつからず それでも、 ふんちゃんが書いてくださったことを何度も読むうちに 、 わかりました 父様のお部屋のなかに、お父様の存在が、しっかりとあるのですね そして、ふんちゃんのなかに、受け継がれて生きておられるのですね 長女さん、義妹さんのところにいらしたお父様、 お母様のこと、御家族のみなさまのことも、見守っておられますね いま、お父様の、握手の御写真が こころに映っています こころから、お父様のご冥福を御祈りいたします。 (2014/03/17 03:03:03 PM)
ふみこさま
お父様のご冥福をお祈りいたします。 母が亡くなってから、母がいつもそばにいてくれます。 死はより近い存在にしてくれる… フジコヘミングより。 お体に気をつけてくださいね。 (2014/03/17 09:00:52 PM)
ふみこさま、みなさま、こんにちは。
あたたかくなってきましたね。 梅や、ものによっては桜も笑みはじめました。 不快にさせてしまいましたら、すいません。 ふみこさんは、別れを意識して、目当てとして生活という旅をされているという印象をもっています。 だからうれしいだろうとかよろこばしいことだというつもりはなく。 もちろん悲しいとか寂しいとか感じているとはおもいますが。 すこし不思議だなぁとおもったのは、自分のことですが、今回のものを読む前にここで大西巨人の逝去に触れたいとおもったこと。でもふさわしくないかなぁと。 『神聖喜劇』はほんとうにおもしろいです。 そしてまた、今回のものを読む前におもったこと。 ふみこさんの『家族のさじかげん』をみなさまにお薦めしたいなぁと。 『家族のさじかげん』は、随筆家山本ふみこの作品のなかで核を最も示している作品だろうと読んでいます。 単純に好きですし。 関係が大きく変わって、いや、大きく感じるだけで、ほんとうはちょっとした変化なのかもしれない。ちょっとした変化で、物理的には会えなくなっただけで、でも物理的には会えなくなったひとのなにかは、のこされたひとたちに確実にのこってゆき、それはそれぞれになにかの芽をだし、花を咲かせるのでしょうね。 死は、終わりではありませんね。 (2014/03/18 04:29:36 AM)
ふみこ さん
お父様との 最期の時間、過ごされた 部屋の香りまで 伝わってきました。 心よりご冥福をお祈りいたします。 いつか来るであろう その時 私も ふみこさんのように 静かに いろんなことを 噛みしめるように 味わうように 過ごしたいと そう思いました。 札幌も 今朝は プラスの気温です。 お父様は もしかして 少し春の気配のする 北海道にも立ち寄られるでしょうか? ふみこさん お体 大切に お過ごしください。 (2014/03/18 05:31:24 AM)
お父様のご冥福を心からお祈り申し上げます。
匂いが薄くなること、 その人の作ったものが食べられないこと、 返事が聞こえないこと、 心の中で問いかけることが増えること 12年前に父が亡くなってから「逝ってしまうってこういうことか」と思うことです。 だから、聞きたいことは聞く。 食べたいものは食べさせてもらう、機会があれば何度も一緒に作らせてもらって一緒に食べる。 その人に会っている時間を大切にする。 思い出すことはみんな「良いこと」になる。 どうぞ、お父さまの匂いを心にいっぱい吸い込んで どうぞ、お母様の毎日に少しだけ気を配って どうぞ、お体ご自愛ください。 (2014/03/18 08:57:24 AM)
ふみこさま
おとうさま その逝き方。その生き方、ですね。 そして、その受けとめ方。 伝えて下さって、ありがとうございます。 先週のひいなの続きで、ご両親のお宅にも伺っている気持ち。 わたしも、父と静かな親しさをはぐくみたいのだわと、思い当たりました。とても静かであたたかい。 家族のさじかげん、再読いたします。 (2014/03/18 09:43:33 AM)
ふんちゃん皆様こんにちは。お父様お悔やみ申し上げます。何度かこちらにも登場したのでまるでエッセイの一部がなくなったような悲しさです。 不謹慎かも知れませんが、先週とのふんちゃんとの約束 卒業式の話をさせていただきます。 (約束を守ることで、少しでもふんちゃんに元気になってもらいたいと考えました) 卒業式の後のパーティーで私はお世話になった先生方に 挨拶回りにいきました。 つらいことが思いの外あったせいでしょうか。 どの先生の所へ行っても号泣してしまいました。 あなたが大好きだった、気にかけてた、 誰かが見てくれてる、1番謙虚だった、不気味だけどがんばった、次につながる仕事をね…等々 こんな風に有難い勿体無い言葉をかけて頂き 頑張ってきてよかった、と心から思いました。 先生の言葉にもありましたが、 お父様もふんちゃんのことを姿が見えなくても 見ていますよね、きっと。 (2014/03/18 10:53:50 AM)
お父上の旅立ち。
この美しい季節に、次の世に行かれたことを 想いを込めて合掌いたします。 ふみこさまの描かれるお父上は、私の憧れの方です。 勝手ながらに想像するお父上の後ろ姿に 時折、自分の父を重ねていました。 私は、直接父と接する時間が少なかったので、 「父親」というのは、ぼんやりとしたシルエットでした。 ふみこさまが、お父上と語り過ごされた濃厚な時間は ふみこさまの中で、ずっと刻み続けられるのでしょうね。 父逝く。 吹き出る思いが胸を叩きます。 高知では桜が開花したそうです。 花の季節に逝く人は、こころやさしい人だと 教えてもらいました。 (2014/03/18 12:57:48 PM)
ふみこさま
突然のお別れだったのですね。 ふみこさんが書かれるおとうさまはいつもとても格好良く、お二人のつながり方も素敵だなぁと思っていました。 おとうさまは、たくさんのことをふみこさんに残して、これから先も繋がってゆくのですよね。 どうぞお身体だけはくれぐれもお気をつけください。 お父様の御冥福を心よりお祈りいたします。 (2014/03/18 06:12:53 PM)
ふみこ様
ふみこ様がお父様のことを語られるとき、 ふと、お蕎麦屋さんでふみこさんと お酒を召し上がってる姿が浮かびます。 ふみこさん、そしてご家族の中に いくつものお父様のお姿があおりでしょうね。。 こちら側でのお役目を終えて、 あちら側へとご卒業になったのですね。 お父様は、 今はふみこさんやご家族の一部となって ともにおられるような気がしています。 心よりご冥福をお祈りします。 (2014/03/19 01:55:31 AM)
ふんちゃん
いつものように浮かれ気分で、ふんちゃんに会いに行くような気持ちで、こちらにお邪魔して…、最初のことばが目に入り、しばらく止まってしまいました…。 実際にお会いしたことはないのに、勝手に、どこか近くに感じていたので、どうとらえていいのかわからない時間が過ぎました…。 ずーっと読ませていただいて…、 お父様の旅立ちの時が、とてもとても、かっこよく、そして、憧れの姿だなぁと感じました。 常日頃から、私の母が、パッと、向こうへ渡るように逝きたいと言います。 最初は何言ってんの…と聞いていた私でしたが、私もそう思うようになりました。 知り合いのお父様は、温泉につかり、気持ちいい顔をして、そのまま逝かれたそうです。 突然のお別れを考えると、周りの家族としては、本当にさみしい気持ちがするのだろうなぁと思いますが、あちらへ旅立つ方としては、ふんちゃんのお父様のような姿に憧れます。 ふんちゃんをはじめ、お母様、周りの皆様…、春は、体調を崩しやすい季節と聞きます。 どうぞ、どうぞご自愛ください…。 そして、お父様のご冥福を心よりお祈りいたします…。 (2014/03/19 06:19:00 AM)
ふみこさま
素敵なお父様でしたね。今年の大雪の時も、お父様の雪かきをされる姿を想像しておりました。 誰でも、最後は亡くなってしまう。 涙しながらも、暖かく語り合える、お父様の時間が、これから始まるんですね。 (2014/03/19 10:39:43 AM)
ふみ虫 さま
桜の季節の始まりに、 あちらへ旅立たれたお父さま。 それをこちらから、凛と 静かに見送られるふみこさん…。 60代以降をこちらで過ごせなかったわたしの父と、 勝手におもかげを重ねておりました。 もう一度父を、 あちらに見送ったような気持ちです。 ことばがでてきません…。 どうぞゆっくりと お見送りおねがいします。 ご無理されませんように。 (2014/03/19 01:45:55 PM)
な こさん
結局、わたしは涙をこぼさなかった……。 そのことに気づいたのは昨夜です。 「さあ、泣こう」と思って、 棺を覗いたんです。 すると、あまりに父がうつくしいので、 感動し……、泣き損ないました。 父は美男でしたが、記憶のなかでもっともうつくしい 表情で逝きました。 ふ (2014/03/19 01:49:24 PM)
Koujiさん
するどい! わたしには「死」が慕わしく、 あらゆる「別れ」の意味もまた 慕わしいのです。 『家族のさじかげん』 読んでみます、あらためて。 ふ (2014/03/19 01:54:58 PM)
えぞももんがさん
今回、 父に「やられたー」と思いました。 うっかり驚いたりして、 失敗しました。 驚いた様子を見て、笑っているような気がします。 以前もえぞももんがさんに 「ざわざわ」について書きましたが、 もっとこうすればよかった……、 もっと愛に行けばよかった……、 というようなことさえも、いま、父との よすがになりました。 これでよし、と胸に納め直しました。 ふ (2014/03/19 01:59:14 PM)
まるこさん
父から受け継いだ感覚を、 信じることだろうな、 と考えています。 これからわたしは、 きっとちょっと変わるんじゃないかな とも思うんです。 ふ (2014/03/19 02:02:13 PM)
rantanaさん
父はうまく、境界線を越えたと 思っているはずなんです。 母のことは心配し、「ごめんよ」と 思っているとしても、大方得意満面です。 そこを思わず、悲しみに暮れていたら、 さぞかしがっかりすることでしょう。 だから……、 「まいりました」と素直に伝えました。 ふ (2014/03/19 02:04:48 PM)
お父様。
心よりご冥福をお祈りいたします。 泣き損ねた・・・と書かれていましたが、 時が来たら泣いて下さいね。 泣くことは、自分の心をヨシヨシするための、大切なことだと、わたしは思うのですよ。 お体、気を付けて下さいね。 (2014/03/19 04:09:32 PM)
あすちるべさん
マリリン・モンローが好きだったんです。 父の部屋に泊まった日、戸棚を開いたら、 写真立てのなかでモンローが微笑んでいました。 写真立てには、 長女が保育園時代編んだ(指で)毛糸のあやとりが かけてありました。 ふ (2014/03/19 05:00:01 PM)
CITRONさん
母が崩し、代わってわたしが 父と、結婚の仲人役をつとめたことを 思いだしました。 あのとき父は、わたしを、 「横におりますこれは、 わたしの若い妻ではありません。 ご期待に添えず申しわけありませんが」 と紹介したのでした。 ふ (2014/03/19 05:03:58 PM)
もも(^-^)さん
父は得意な気持ちでいると思います。 ですから……、 わたしたちは、それを讃える気持ちを 持たないとね。 母は「ごめんね」と云っています。 誘われたのに (餃子を食べに)一緒に行かなかったことにです。 ふ (2014/03/19 05:08:08 PM)
おまきさん
ことしの大雪のとき、 「雪かきはしなくていいよ。 あとからしに行くから」 と電話したのでした。 雪かきは……、 もうすんでしまっていました。 ふ (2014/03/19 05:26:41 PM)
バッテリーさん
「あちら」はいいなあ、 なつかしいひと、 会ってみたいひと(バッテリーさんのお父さまや)が いっぱいです。 憧れ過ぎないようにします。 今生を大事にするのが、いまのわたしの立場ですもの (云い聞かせているようでしょう?)。 (2014/03/19 05:35:24 PM)
こんにちは、ふみこさん、みなさま。
随分長い間、ご無沙汰してしまいすみませんでした。 息子が怪我や病気をしたり、保育園へ行きたくなるなどたくさんの試練の数ヶ月でしたが 今やっと、、、少し心が落ち着きました ふみこさんのお父様、素敵ですね とても素敵なお父様でいらっしゃったのですね。 心よりご冥福をお祈り申し上げます きっと、いつまでもふみこさんご家族を見守り続けてくださいますね 私は大好きな、大好きな祖母が突然他界したとき、涙を流しませんでした。 きっと大声では泣き崩れそうな自分を、どこかで抑えていたと思います でも、いつもそばに居続けてくれるような気がしたのです。 人との出会いと別れほど 不思議で、そして時には切ないものはないかもしれませんね 今日は朝から しとしと雨が降っております 雫が落ちる葉音が、美しいです ふみこさん、ご一緒にこの静かな時を、過ごせたら嬉しいです。 届きますように… (2014/03/20 10:11:30 AM)
私の父が亡くなってはや、7年がたちました。
親を亡くした人生を生きていくということでは、大尊敬しているふみさまより私はちょっと先輩になれてしまい得意げ。 もともと寡黙だった父(あきらさん)とは生前はあまり会話もなく・・ 父と楽しく語らった思いではあまりないのですが、 葬儀の時にこちらの予想をはるかに上回る弔問の方々の数。 「あきらさんは本当に愉快な人だった・・。あきらさんと飲むのが一番楽しかった・・」 そんな言葉をたくさんいただき、娘としてはちょっとびっくり。 『あきらさんの事はきっとちょこっとしか知らないんだなわたし。』 ちょっとジェラシーな思いの葬儀でした。(笑) 亡くなってから、霊感とかはちょっとも感じないタイプの私なのですが、でも、以来、事あるごとに父の存在を感じることが多くて・・。 ここいちばんで踏ん張らなくちゃいけない時も「あ、あきらさんみててくれているな」そんな感覚をよく感じるようになりました。 生前よりむしろうんと近いところに父はいるような気がします。 人間、産まれたからにはかならず召される。 その亡くなり方は人それぞれ。 あきらさんは「これからご家族含め大変な戦いですよ。」と胃ガン末期の告知をされた4日後に、意識が薄れ、家族みなが病院のベットの周りにかけつけ、手や、足をさすってあげながら血圧がだんだんと下がり、それから半日もたたずに穏やかに旅立ちました。 ふみさまお父様も餃子と老酒を召しあがりながらの旅だち・・。なんてうらやましい・・(すみませんこんな表現で) 人生も平均寿命半分を過ぎるとだんだん自分の亡くなり方を考えるようになってしまいます。娘が部屋で自分の寝台にねてくてれいる・・。孫も息子嫁も元気で家族親戚仲がよく・・。 そんな思いをはせながらの餃子と老酒での旅立ち。うん。本当に素敵です。 実家の掃除を手伝いなながら父の部屋の書棚は7年たってもまだ手つかずで、一級建築士のバリバリ理系だったはずなのに、本も大好きで、山岡荘八著徳川家康全26巻の単行本が初版で26巻そろっています。 「どうすんのこれ?」しょっちゅう母に言ってはみるのですが、思いきる気持ちがまだ母にはないようでそっとしておりましたが、 処分を考える前に一度私も読んでみようかな? ふみさまの言葉を読みながら、いつのまにかまた父に近づいていました。 ありがとうございます。 天国でふみさまのおとうさま、私の知らない、陽気でたのしいあきらさんと老酒ぎょうざで続きの宴会していてくれるとうれしいな。 葬儀は、気が張っているので、あとになりお疲れも出ると思います。ご家族みなさまお体充分大切にされてください。 お父様の御冥福を心よりお祈りいたします。 (2014/03/20 02:30:22 PM)
ふみこさんのエッセイの中で、たびたび登場されるお父様。
お蕎麦やさんでの粋な姿だったり、 お孫さんとの時間を楽しまれる姿だったり。 お会いしたことはありませんが、身近に感じていました。 それは今でも変わらず、私の中ではずっとお父様の 記憶が残っていくように思います。 私も少しでも、周りの方々の記憶に残るように 生きていきたいです。 ご冥福をお祈りいたします。 (2014/03/20 04:53:35 PM)
みゅーさん
やさしく、静かな時間を どうもありがとうございます。 きょうは中学の卒業式に出席し、 その後バスに飛び乗って 母のところに手伝いに行きました。 忙しい日でしたが、 燃えるような気持ちになりました。 ひとの温かみに触れて、燃えたのです。 ふ (2014/03/20 10:18:29 PM)
おきょうさんさん
お父さまのご本は、 ゆっくり読み継いでゆけるといいですね。 26巻を、長い歳月をかけて。 わたしも、膨大な本たちを ゆっくりゆっくり(素養がなくて、 ぱっぱとは読めないと思うんです)読んでゆこうか、と。 お互いに、宿題として。 ふ (2014/03/20 10:23:30 PM)
焼き海苔の のさん
父ともう一度会えたなら、 蕎麦と日本酒をたのしみたいです。 父の好きだった店に行って、 一杯やろうと思います。 吉祥寺の「ほさか」、「中清」です。 ふ (2014/03/20 10:25:52 PM)
ふんちゃん
お返事を読んで……震えました…こころが。 お伝えくださり、ほんとうに、ありがとうございました。 お父様のうつくしいお顔のこと そして感動のあまり泣くのを忘れてしまったふんちゃんのこと 眼を瞑って、想い… ふんちゃんが泣き損ねた、とおっしゃっているのに 泣きそうです。ごめんなさい。 うつくしい、ということの奥深さを、 いろいろのことを、知らなさすぎるわたしですが お父様の生き方、心持ちが、そのうつくしさが 浮かんでいたのだと、そう思いました。 お父様に、教えていただいた気がしております。 その日まで、わたしも、うつくしい表情に近づけるように生きてゆきたい、と お父様との御別れに、ここでそっと寄り添わせていただけたことで、いまあらためて、自分の「生」を意識する時間をも頂けました。 一日一日、一所懸命でありたいなあ、と。 親とは、なんと、大きいなあ…と、その存在に圧倒されるような気持ちです。 子であるわたしと両親とのこれからの時間も、ちょっと変わる気がしています。 ふんちゃん、今日外は冷たい風が強く吹いています。お忙しく、お疲れもあることと思います。 体調を崩されませんように、 どうぞ、お身体 大切にお過ごし下さい。 追伸 下二人の子どもたちが、風邪をひろってきましたので、二日続けてふんちゃんレシピ「風邪退治鍋」を食しています。白菜の旬は過ぎましたが(ちょっとさみしい…)このお鍋、ほんとうに美味しいです。飽きません。家族皆(わたしも含む)の食べっぷり…きっと風邪も吹き飛びます! 前に書いた二女が寝込んだ正月も、助けていただき、いつもこのお鍋は好評です。ありがとうございます。 おいしいご飯は、力をくれると実感しています。 (2014/03/22 06:06:37 PM)
最近 いつかお逢いしてみたかった。。。とおもっていた方々の訃報を続けて耳にして 残念に感じていたところでした。
でも お父様 90歳☆彡 その日も餃子を食べに おひとりでお出かけされてとのこと。 最後の日まで 元気で行動できるって とっても素敵なことですね。 だから 悲しみはないとはいえないに決まっているけれど、ふみこさんの文章は どこか「晴れ晴れ」としたものさえ感じるのは そんなお父様の娘でよかったよ~という お父様へのいっぱいと感謝と愛が詰まっているように想いました。 時間を経てから たくさんの涙があふれてくるのかもしれません。でも 天に召されたお父様は、いつも真上からも横からも お母さまやふみこさんご家族を見守ってくださっているのだから心強くもありますね。 心からご冥福をお祈りいたします。 (2014/03/23 12:39:40 AM)
な こさん
お互いに、 この世にあるあいだ (その後のことはわからないから……ね)、 一所けん命生きようね。 おたよりを読ませていただき、 そう思いました。 つくづくと。 風邪、お大事に。 お疲れが出たのです。 それが風邪となって出てきて、去ってゆく。 よかったのかな……、そうですよね。 ふ (2014/03/23 10:25:41 AM)
lalalaのlaさん
ご名答。 「晴れ晴れ」を云い当てていただき、 とてもうれしいです。 通夜に、叔父叔母、いとこたちと おおいに飲み、笑い、昔語りをできたことも、 胸のなかの「晴れ晴れ」をひろげました。 ふ (2014/03/23 10:29:23 AM)
ふみこさん、こんにちは。
昨年の初夏以来のコメントとなりずいぶんとご無沙汰しております。覚えていらっしゃるでしょうか。 今日の新聞の記事を読んで久しぶりにふみこさんにお手紙が書きたくなりこちらにお邪魔したらお父様の事が書かれてありとても驚きました。 私はお父様のお話が出ると、同居していた父方の祖父をいつも重ね合わせていました。明治47年生まれで97歳でなくなりましたが、自分の事は何でも自分でするとてもしっかりとした人でした。その反面とても涙もろく、話をしては、テレビを見てはいつも涙をこぼしていました。どういうわけか孫の私はそこだけが似てしまいお恥ずかしいのですが。 私にはお父様の寝台で過ごされた一夜がこれから先のふみこさんのお守り代わりになるような気がしました。生意気な事を申し上げていたらごめんなさい。 心よりお父様のご冥福をお祈りいたします。 土筆を見つけた日に (2014/03/24 02:28:07 PM)
ゆっきーさん
そわそわ、めそめそ、ふみ虫です。 父の寝台で眠った一夜が わたしを守ってくれるというおはなし、 信じられる思いがします。 守ってもくれ、学ばせてもくれ、 わからせてもくれる一夜……かな。 ふ (2014/03/24 11:44:55 PM)
おとうちゃまのことをお聞きして
すぐにはここに言葉を綴ることができませんでした。 わたしの母が亡くなって ちょうど一年になろうとしています。 この悲しい静けさの中に ふみこさんもいらっしゃるのかと思うと、 ただ一緒に何も言わずにいたいな、 そう感じています。 今、おとうちゃまがいたわ、 これはおとうちゃまの配慮ね・・・ そういったことが いくつも起きていることと思います。 今年は花かんざし、バコパ、 こでまりと小さくて白いお花を いくつも植えてしまいます。 そうそう白いゼラニュームも。 こでまりがポヨンポヨンと揺れる度に 母が風になってきてくれてるんだなあと・・・ そうなのね、そうなのねと うなずいてくれているようです。 ふみこさんもおかあちゃまも ご家族の皆様もうんと癒されますように。 合掌 (2014/03/25 11:42:55 AM)
ふみこさん、体調はいかがですか?
1月、私が父を亡くしたことにふみこさんから コメントをいただいて以来だったので いつものごとく、貯め読みをしていたところでした お父様、旅立たれたのですね 少し前の自分と重ねながら、読まさせていただきました 御悔やみ申し上げます 私が父を亡くした時は もっと会いに行けばよかった、とか もっとこうすればよかった、とか あげるときりがないくらい、 急にいろんな後悔をしたりしました でもそれは、生きている側の自己満足 なのかもしれない、父がいい旅立ち方が できたのなら、それでいいんだ、と思いました ふみこさんのお父様も、好きな本を読まれて 好きなマリリン・モンローを眺めながら 日々を過ごされて、最後は餃子を食べて逝かれた のなら、お幸せだったんだろうと思います 男前なお父様のお顔、最後に見られてよかったですね お母様はいかがですか? 一人になって改めて気持ちを整理することも 悲しみを乗り越える上で必要なことと思います お母様もふみこさんも、お父様との日々を想い、 泣いてくださいね こんな時こそ、ご自愛くださいね (2014/03/26 01:39:04 AM)
山本ふみこさま
たいへんご無沙汰いたしております。 NHKの朝ドラマ「ごちそうさん」を見ていて(今週が最終週です!)、ふと、山本ふみこさんはどうなさってるかしら、と思ってこのブログを見たのでした。 そして、お父様が亡くなられたことを知りました。 お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 以前ふみこさんがご本に書かれていた、お父様が女のひとの絵を描かれるたびに、絵の中の女性のお顔だけはそのモデルさんではなく、ふみこさんのお顔を描いている、という文章のことなど、しみじみと思い出しております。 きょうは東京でも桜(ソメイヨシノ)が開花したそうです。 春の日々、ご家族皆さまには、どうぞお元気でお過ごしくださいますよう願いあげます。 3月26日 吉野俊彦拝 (2014/03/26 09:01:27 PM) |