正月飾り
女の子が生まれて初めてのお正月を迎える時には、
日本では羽子板を贈って飾る風習があります。
お正月飾りの羽子板、
毎年進化し様々な絵柄やらデザインが作られています。
昨今では、伝統的なお顔がある羽子板から、
お顔がなく花飾りがデザインされ、さらには髪飾りとしても使える創作羽子板もあります。
今回は、現代の創作羽子板ではなく、
昔から親しまれている羽子板の「汐汲」について少しご紹介します。
そもそも、
羽子板の絵柄は歌舞伎舞踊の名場面を押絵にし、
更に絵柄自体に江戸っ子独自の思い入れとユーモアを含む意味を持たせています。
現在、女の子の初節句のお祝いとして作られている代表的な絵柄は、
藤娘、道成寺、汐汲、浅妻があります。
「汐汲み」は、潮汲みのことを指し、潮汲みは潮の干満の様子を表現したものです。
押絵羽子板に描かれた「汐汲み」は、
季節や自然の移り変わりを表現していると考えられ、
潮の干満や自然の移り変わりに対する感謝や畏敬の念、
さらには日本の風物詩や美意識を表現しています。
また、歌舞伎・日本舞踊では
海の水を汲む桶を持ち、恋人を想うしとやかな舞を披露しています。
「汐汲み」には、
視覚的な楽しみだけでなく、
文化や自然への感謝の気持ち、
幸せを汲み、良き縁がめぐってきますようにと願いが込められています。
大切なお子様、お孫様の誕生を喜び、
これからの健やかな成長を願うと共に、
海のように広大な幸せを汲み、
良き縁がめぐってくるようにと想いを込めて贈られてみてはいかがでしょうか。