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産後リカバリーヨーガ embrace  <東京都調布市・世田谷区>

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2018.07.20
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 フィギュアスケートは生き方そのものが表れる。
 カザフスタンのデニス・テン選手は、母国を愛し、スケートを愛し、
共にスケートで高め合う友人たちからはその誠実さと温かさ、何より、
ノーブルで情熱に溢れたスケーティングで慕われた。

 もう過去形でしか書けないのが本当につらい。

 彼はフィギュアスケートを通し、カザフスタンの優秀な外交官でもあった。
 日本の安倍総理がカサフスタンとの友好の場で、デニスのことを言葉にしたこともあった。

 カザフスタン初の五輪メダリスト、世界選手権の表彰台、四大陸選手権優勝、
数々の業績を遺し、逝ってしまった。

 カザフスタンで初のアイスショーを開催したときに、
大輔や真央の日本人ファンがビザ無しで入国できるよう国とかけあった。

 2013年のワールド、SP,FPともに「アーティスト」を見事演じきり、
2位になった。
 だけど、フィギュアスケートはいつもそうであるように政治的で、
この年の優勝はデニスだったと確信していたスケートファンは少なくなかったはず。

 それを言ったらもうとめどなくなり、
2012年のニースワールドの優勝はダイスケだったし(優勝はパトリック・チャン)、2014年の埼玉ワールドは町田樹だった(優勝は羽生結弦)。
 町田樹はこの秋でプロスケーターからも引退してしまう。
 
 こんなスポーツがあるだろうか。
 一番強く美しく人々を魅了した選手が優勝できないなんてね。
 今のフィギュアスケートを支えているのは、
その狭苦しい恣意的な世界の中でももがきながら自分のパフォーマンスを
突き詰めて努力を重ねている選手あってのこと。


 多くの有名スケーターから言葉にならない悲しみのメッセージがSNSで届けられている。
 それは彼が上手い選手だったからでなく(もちろん極上の滑りをする選手だが)人間的にすばらしいひとだったからだ。

 今期も現役を続けそのための練習に励んでいた。
 訃報が信じられなくて、スケート仲間と悲しみ、
夜中2013年のデニスを「アーティスト」を何度も観、
嗚咽がとまならくて喉もかすれてしまった。
 ただのスケートファンのわたしがこうなのだ。
 デニスの家族、愛するひと、スケーターの友人たちの虚無を思うと、
本当に言葉を失う。

 無念だろう、何よりもデニス自身が。
 
 デニスは2015年のツィートで、
ダイスケは復帰するよ、とメッセージを送っていた。

 3年して、ダイスケは復帰する。
 4回転なんてなくていい。
 ただ、デニスと並ぶ美しいスケート、熱情を表情に現してくれる彼のことを、
デニスはきっと天国から見守ってくれるんじゃないか。

 彼に対しては羽生結弦とマスコミと彼のファンが、
デニスを随分と苦しめた。
 謂れのない練習妨害、ファンによるデニスへの中傷、
マスコミは状況を把握することもせず面白おかしく書きたてた。
 
 25歳にして国葬でおくられるほどの選手を、
日本人が傷つけたこと、本当に残念で恥ずかしい。

 
 ロシアの偉大なコーチたちも声を上げている。

 デニスはわたしの記憶の中に、
 そしてフィギュアスケートの仲間たち皆の記憶の中にあり続ける。
 彼がどれほどすばらしい人物で、どれほど輝かしいスケーターで、
 すばらしい息子で友人であったかと。
     (アレクセイ・ミーシン)


 天才の命が奪われてしまった。
 彼ほど才能があり、私たちは彼のことを大好きで、
 彼の人間性に惹かれていた。
 彼は私の教え子ではなく、私の友人でした。言葉もない。
     (タチアナ・タラソワ)


 
 
 2013年ワールドの実質優勝だったデニスのパフォーマンス
 
 

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 未来のスケート界を変革してゆける人材だったデニス。
 あまりに巨きな星を喪い、その輝きはもう胸にやきつけておくだけになった。

 高潔で人間的で紳士な全力の人生をありがとう、デニス。
 ご冥福をお祈りします。

 心震えるすばらしいスケートをありがとう。
 スケートを選んでくれて、努力を重ねてくれて、
日本を愛してくれて、デニス、心から、ありがとう。





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最終更新日  2018.07.20 22:05:06
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