桜金造の著書
桜金造
「和室?それとも洋室?」 桜金造自身が体験した、とてもややこしい怪異。 突然、仏像がたまらなく見たくなり、奈良、京都へ行った。 ちょうど、修学旅行シーズンで大きなホテルはいっぱい。 なんとか、古びたビジネスホテルで部屋が見つかった。 チェックイン時に、受付をしてくれた男性がパソコンをたたいていると・・・ 27歳くらいの女性がやってきて 『お客様、洋室になさいますか?今日でしたら、洋室シングルのお値段で 特別に和室を提供させていただきます。いかがなさいますか?』 『じゃあ。和室にしてください』 キーを渡され、部屋に案内されるが暑いので冷房を強にした。 眠りに就いた、そして夢を見た。 それは、黒い煙に巻かれそうになりながら逃げて行く。熱い、ただただ熱い・・・ 吸う息が熱い・・・肺が焼かれる、と思ったところで目が覚めた。 暑い、とても暑い、見るとエアコンが暖房の強に切り替わっていた。 とても気持ちの悪い部屋だと思い、周りを見て愕然とした。 和室で寝ていたはずが、ベッドに寝ている。しかも、部屋は見たこともない洋室。 このホテルに和室はないという・・・ 「貧乏神はいる」 今は大繁盛の中華料理店は、知人が経営しているとのこと。 しかし、開店当初は客が来ない日が続いた。 他の店には客が流れるのに、どういうわけか客足が絶えたまま・・・ 閉店を考えていた知人が相談してきた。 まず、店に行き、料理を食べたが、これと言って客が来ない理由が 見つからない。 それで、知りあいの霊能者に見てもらうことにした。 数日後、店に知らない男が入ってきた。 食事をするためのテーブルには座らず、待合せ用に設置した テーブルに座っていた。 『もう大丈夫です』 この男が霊能者だった。 『貧乏神は、数軒お隣の店に追いやったから、ご安心を』 その晩から、オセヤオセヤの大盛況のお店になってしまうんです。 霊能者曰く、貧乏神は祓えない・・・追い払うしか出来ないそう・・・ 「一家心中」 中学3年のときのご自身の体験。 夏休みのある朝、中学2年の時に千葉へ越したM君から 今日ボクの家に泊まりに来ないかと電話があった。 何でも、両親、姉が外泊するために自分しかいないとのこと。 早速、出かけた。 M君の家の最寄駅まで、M君が迎えに来てくれるはずがいないので M君宅へ何回も電話をしたが出ない。しかたがないので、M君宅に 歩いて行った。チャイムを鳴らすとM君が出てきた。 何度も電話したと言ったが、電話はかかってこなかったと言われた。 その夜、M君と布団を並べて話しながら寝た・・・。 翌朝、目覚めるとM君がいないので、着替えて近くを歩いていると パトカーが赤灯を点けて止まっていた。 なんだろうと見に行くと、それはM君一家の心中現場だった。 しかも、心中したのは4日前・・死んだM君から電話をもらい一夜を過ごした・・
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