中岡俊哉の著書
中岡俊哉 「下駄の音を響かせる女優の亡霊」 行きつけの銀座のクラブで飲んでいると、最近は売れていない女優が顔を出した。 マスターが追いかけるように迎えに行ったが、店を覗くと出て行ってしまった。 マスターが店を出ると、もうそこに女優の姿はなかったという。 それから数週間が過ぎると、マスターが事務所を訪ねて来た。 今まで一度も事務所へ来ることがなかったので、早速本題を聞いてみた。 すると、女優のことだと言う。 最近、全く店に顔も見せないし、マネージャーや付き人も解雇されてしまい 行方をしっている人が誰もいないとのこと。 それに近頃は、夕方になると女優が歩く下駄の音が聞こえて来る。 あの、足を引き摺るようにあるく独特のリズムは女優に間違いないのに 店を出て探してみるがいないとのこと。 妙に引っかかるので、女優のマンションまで一緒に行って欲しいということになった。 マンションの女優の部屋まで来たが、鍵がかかっているため管理人に開けてもらった。 中に入ると、グラスをもった女優が亡くなっていた。 部屋には大量の睡眠薬と仕事を干されたことへの恨み辛みが書かれた紙が置かれていた。 警察に知らせるために部屋を出ようとすると、女優が歩く下駄の音が聞こえてきた。 マスターが聞いた下駄の音も同じだと言う。 女優は死後50日で、顔だけ出して帰ってしまった時には、もうすでに亡くなっていた。
「校舎の床下に残る怨念」 友人のマンションに泊まりに行った女子高生が体験した怪異。 夜中に、玄関が開き、労務者風の男が入って来た。 男は、全身が泥まみれ、服は破れ、首から胸にかけてドス黒い血が 付いている・・・ 『お願い、助けてー』と逃げ惑う二人に向かって 『助けてやるものか、俺の恨みだ』と言い 『俺は、おまえらの校舎の建設中に事故にあって、下敷きになった。 俺は見殺しにされた。 俺の身体は下敷きになったまま、地中に埋められているんだ。 俺の身体を出してくれ。出してくれないと、学校をめちゃめちゃにしてやる。 お前らをみんな呪い殺してやる』 翌日、校長先生に昨晩のことを話すと、早速、鉄筋コンクリートの 地下部分が掘り起こされて、中から白骨化した男の死体が出て来た。 学校は、遺体を近くの寺に埋葬した。 その夜、労務者風の男が出て来て『ありがとう』と言って消えたそう・・・ 「旅館内に出没する母娘の秘密」 ある宿に宿泊した男性の体験。 夜中、ラップ音とともに母娘の霊が出て来た。 恐怖におののいた男性は、宿の主人をたたき起こして、ことの顛末を 説明するが宿の主人は全く信しようとはしなかった。 宿の主人に腹を立てた男性だったが、部屋に戻るしか方策が見つからず 再び部屋へ。 そして、再度、母娘の幽霊のお出ましとなった。 今度は、金縛りに遭い、逃げようとしても逃げられない。 母親の霊が床の間の掛け軸の絵をわずかに破ると、それは消え 体も自由の身となった。 今度は掛け軸も破れ、血のようなものまで付着していたので、宿の主人も 信用して原因を調べることになった。 実は、宿の主人は2年前にこの宿を購入していたため、その前のことは わからなかった。 前の持ち主に問い合わせると、3年前に娘1人を連れた女性がその部屋で 自殺していることがわかった。 宿帳に書かれた、名前、住所に該当者が居なかったことから無縁仏として 葬られた。 前の主人は自殺の話題が広まる前に、宿を売りに出したとのこと。 床の間の掛け軸の上の天井を開けてみると、そこにはスーツケースがあり 中には写真と裏には本当の名前と住所が書かれていた・・・・ 見つけて欲しかったのでしょうね 「夜10時の客」 A子さんがアルバイトをしていた喫茶店では、常連客の大学生の男性がいた。 毎日のアルバイトを終えると、この喫茶店に来るのだった。 ある日、いつもより遅い時間にやってきた。 いつもより口数も少なく、すぐに帰ったしまう・・・そんなことが2日続いた次の日・・・・ その大学生の姉と名乗る女性が現れ、弟が3日前に血を吐いて亡くなったという。 その大学生に好感を持っていた彼女は、思わず気を失ってしまう。 目覚めた後、昨日、一昨日と午後10時ころに喫茶店に来たことを姉に伝えると 『じゃあ、弟の霊がこちらへ姿を見せたのですね』 大学生はA子さんに恋していたのでしょう。
修学旅行で撮った写真にエクトプラズムが・・・ ジャンル別一覧
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