脱走兵ヲ捕縛セヨ
前に俺のハッチバックでは脚を伸ばして寝られないと書いた。バックシートは前に畳めるのだが、ラゲージルームとの間に20cmくらいの段差があるのでワンフロアとして使えなかったのだが、去年の北部九州水害の折に避難所で使ったマットを処分する機会があったので、厚いマットと薄いマットの各1枚ずつをゆずってもらいラゲージルームに敷き詰めることで、俺の身長でもギリギリの長さではあるが、脚を伸ばして寝られるようになった。これだけで疲れが全然違う。というわけで、車中泊でも熟睡できたのだが、この季節はさすがに寝袋はいらないだろうと上には何も掛けずに寝ていたら、明け方になって寒さに目を覚まし、寝袋を開いて中にもぐりこんだ。5時過ぎに起きた時にはまだ雨が降っていたので、コーヒーを淹れて時間を過ごしていた。釣りをするならばここからまた3~40分車を走らせて山に登らなきゃならないが、山の上は一段と天候の回復が遅いだろうと思いながら、ここまで来たので川だけは見ておこう。山の上に上がってから、昨夜残したおにぎり1個とカップスープで朝食を取り、まだ小さな雨は降っていたがとりあえず釣りの準備を始めた。あ、大事なことなので書いておくが、途中何ヶ所かある遊漁券販売所がまだ開いていなかったので、この時点ではまだ遊漁券は持っていない。一人だし10年振りくらいに来た川なので、大きな渕や深い谷は怖く、ほぼ最上流に近い場所に入ったのだが、出るのは小さなハヤ(九州ではシラハヤもウグイもオイカワも全部ハヤ)ばかりだった。この10年の状況は知らないので、ここにはもう放流していないのかなと思いながら、この場所を選んだ理由はそれならそれで別の狙いがあった。そんな感じでなるべくハヤを拾わないように竿を振っていたら、ある流れで小さなハヤとは違う魚体がフライを食って反転したのだが、一瞬見えたサイズよりも引きが強くて、おお、やはりこいつがいたか。ここの上流には釣り堀があってニジマスを入れてあるので、時々脱走兵が釣れるんだよね。写真の撮り方が下手だけど、釣り堀出身なので塩焼サイズはある。その後も脱走兵を探索したが、結局これ一匹だけだった。雨は上がるどころか時に強くなったので、脱渓ポイントを見つけさっさと川を上がる。車に戻って時計を見たらまだ8時半前だったが、本日の釣りは終了。マス類が一匹も釣れないならば遊漁券販売所の通り過ぎるのだが、釣れた以上はお布施をして帰らなければ。(このくだりはあくまでも冗談だから。)昼前には帰宅したが、福岡も湿度が高くていよいよ梅雨だな。防災関係の人や団体が今一番心配していることは、梅雨から夏場に掛けて災害で避難が必要な事態が発生した時に、避難所での新型コロナウイルス対策なんだよね。命を守るために避難してきた人が、避難所での3密で命の危険にさらされるならば、危険を承知で家に留まった方がいいということになりかねない。今年くらい事情を察しろと高木ブー(雷様)に言いたい。