2008/02/21(木)08:30
オールド・カイロ
エジプト日記、オールド・カイロ
3―6:オールド・カイロ、霊を拾う
朝の9時頃のモナステルリ橋の上には浮浪者、物乞いが既に10人を越えている。
スーツ姿の男性に絡んでいるのが見える。
白人系観光客も2人組に囲まれて難儀なこった。
「こんな橋を渡るのは嫌だな、迂回するにはちと遠いか?」
と思っていたら、2人組の警察官が現れ、片っ端から職務質問をしてまわると、
それまで橋の上でたむろしていた連中は蜘蛛の子を散らせた様に消えていった。
後から自然と分かるのだが、警察官にも種類いるらしい。
◆1◆マシンガン銃を持っている人
◆2◆職業として長年勤めている人
◆3◆アルバイト契約&警備員の様な感覚で観光地にいる人
今回の職質は「2」だな?パッと見からして「3」はテレテレしついるし、
チップをねだったり、ナンパもしてくるもの。
ローダ島からモナステルリ橋を渡り、
オールド・カイロを抜けて、マル・ギルギス駅
そしてコプト博物館にたどり着くはず?
地図上ではたった500m
その地図だが、実際の道とは違っていた。
人々が住んでいる地区を通り抜けようとして、袋小路にはまる。
現在とは切り離された風景に変わる。
荷台はロバがひいていて、野菜売りが歌うような大声を出すと、
黒い布をスッポリ被ったおかみさん達が買いに来る。
他にも魚売りもロバ…
パン屋はさすがに自転車だったけど。
解体中のアパートは既にゴミ集積所と化しているが、
以外にも皆さんはスーパーの袋にちゃんとつめてから、ゴミを不法投棄している。
ビニールと空き缶さえ無ければお伽話の世界かもしれない。
異国情緒に浸りながら迷子が続く。
ああ…古い迷宮都市なんだ…
悪寒が走り肩が張る。
古い街は余り建物の位置が変わらないため、
空間そのものが動いていないためか、
沢山の雑念がそのまま残っているので拾ってしまう。
もちろん悪意をもらうわけでは無いのだが、「霊を背負う」状態に近い。
おや?頭の上から水滴が!
洗濯物は絞らずに濡れたまま吊り下げているのだ。
確かにアイロンいらずかもね。
やっと、電車のケーブルらしきものと、陸橋が目に入った。
ふぅ~♪やれやれ…
地図に印された道にたどり着き、安心したのもつかの間、
目の前にはイスラエル大使館の警備よりも大掛かりな
バリケードが張られ、軍隊が銃を構えていた。
…続く