大坂の陣 その3♪創作落語「大坂の陣」その3(藤堂)「マスターいつものブランデー頼む」 (マスター)「いらっしゃい。今日はお一人ですか? この間のお連れさん、えっと」 (藤堂)「あぁ、真田君のことか」 (マスター)「そうそう真田さんでした。苦味走ったいい男でしたね」 (藤堂)「そりゃーそうかも知れんが、俺はどうなんだ?」<(マスター)「いえー、藤堂さんも何しろお歳より貫禄があって、その辺の女が黙ってませんやろ?」 (藤堂)「そうだといいンだが、未だ独身て言うのは推して知るべしちゅう処かな?」 (マスター)「大丈夫、大丈夫、何せ藤堂さんは仕事の手際が良いと聞いていますから、別嬪さんゲットされるに決まってます」 (藤堂)「まぁそうして置くとして、俺が店に入る前、何やワーワーと騒いでいたみたいだけど」 (マスター)「えっ、そんなこと無いですよ、ねぇー」 (Y男)「ええ、僕達は静かに飲んでいましたけど?」 (藤堂)「そうですか、まるで喧嘩していたように聞こえたけど」 (マスター)「この辺は最近カラオケばかり歌う客が増えて来たので、うるさかったン違いますか」 という訳で、この場は丸く収まりました。先程えらい剣幕で言い争っていた恋人同志も場所を変えるンですか、勘定払って出て行きました。 (藤堂)「マスター、ロトシックスって知ってる?」 (マスター)「ええ、でも六つの数字が当たらないと駄目なンでしょう?」 (藤堂)「ミニロトは五つで済むけれど、配当はシックスの方が大きいからね」 (マスター)「私ら夜の商売ですから、宝くじを買う時間帯は寝たり、何かしていてチャンスが無いンです」 (藤堂)「そりゃ気の毒。この間やっと四つ当たったンだけど、配当幾らだと思う?四つも当てて、たったの八千円。ジャンボの方が魅力的かなぁ」 (マスター)「どっちにしても夢のような話。当たってなんぼの世界と違いますか」 (藤堂)「そう言ったら実も蓋もない」 なンてくだらん話をしている処へ、グラマーな美人連れで真田君がやって参りました。 (真田)「ヤぁー今晩は」 (藤堂)「あれっ、真田、その人紹介しろよ」 (真田)「君は知らなかったのか、一橋商事の受付嬢:田代さん」 (田代)「初めまして、田代です」 (マスター)「真田さん、美人のお客さん連れて来ていただいたンで、ちょっとだけ割引させて貰います」 (真田)「マスター、そんなら今夜はタダか?」 (マスター)「タダ言う訳には行きませんけど、割引させて貰います。今後もどんどん連れて来て下さい」 |