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しぐれ茶屋おりくの部屋

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創作落語「大坂の陣」 最終章♪

創作落語「大坂の陣」 最終章

(マスター)「これは失礼仕った。どうも義経公は仲間数には勘定出来かねまするな」
(義経)「今一つこと問わん。鉄砲・大砲とは如何なるものに候や?」

(後藤)「軍議が横道に逸れては心もとのう御座るによって、略して申せば飛び道具で御座る」
(義経)「さすれば何か、弓矢に代わって新しい武器が発明されたと申すのじゃな?」

後藤)「いかにも、五十間離れた所から敵を打ち崩すことが出来まする」
(義経)「なれば騎兵隊とは趣が違うようじゃな」
(後藤)「ご納得が行けば、会議をとくと進めることに致す。・・・夜討ちの人数じゃが・・・」

 とまぁ、軍議の捗々(ハカバカ)しくないことったらありぁ~しません。一方、東軍は何事もスマートに運ぶようで、

(福島)「西軍は毛利、島津、長曽我部の残党も増えて、大軍になっていると聞き及ぶが、各々方、如何致したものであろう」
(藤堂)「大御所様の仰せになる通り事を運べば、烏合の衆の西軍など問題では御座らん」
(福島)「いかにも仰せの如く、大砲で天守閣を脅かし、太閤の堀を逐一埋めて行けば、裸城も同然。故太閤の常套手段、大がかりな土木作業を併せて行うのが良策に相違あるまいて」

(藤堂)「城方の慌てふためく様が見えるようじゃ、ワッハッハッハッ!」

 時に家康公は若い時は信長公に義理立てされ、立派な武将であったンですが、太閤秀吉が「浪花のことは夢のまた夢」という辞世の歌を残して亡くなってからは智謀の限りを尽くした為に、

人気は陽気な太閤さんの足元にも及びませんな。血液型で言えば家康はA型、秀吉はO型の典型であったンじゃなかろうかと思います。でぇ~何で御座います。大坂方はいつまで経っても埒(らち)が行かないようで、

(義経)「弓矢隊が必要とあらば、義経直属の部隊を遣わせても苦しゅうない」
(マスター)「義経はんは未だ理解できたはらへんようですな。アンタの時代と違て、世の中回転が速おますンや。弓矢なンて、ぎゅーうと絞っている間に、ズダーンであの世行きですがな。もおええ加減に時代について来て貰わなどもならん!」

(石田)「これっ!六三郎、控えぬか!」
(マスター)「関西弁であろうとなかろうと、そんなン気にしてられまへん。イライラしますがな」
(石田)「静かに召されい。・・・時に義経の殿、静御前は大層な美人だったと専らの噂で御座るが、まことのことに候や?」

(義経)「ふーむ。あれほど綺麗な女子(オナゴ)は居らぬわい」
(石田)「色が抜けるように白かったンでしょうな?」
(義経)「色が白い上に餅肌であった」
(マスター)「ちょっちょっ一寸待って下さい。その辺で何の話、しているンですか。大坂の陣はどうなるのですか?」

(後藤)「大坂の陣よりこっちの方が面白い。ねぇ皆さんそうですな?」

 もうこうなって来ると話がごちゃごちゃになってしまいます。源平なら源平、大坂の陣なら大坂の陣とどっちかに纏(マト)めなくては、にっちもさっちも行かなくなります。

(後藤)「義経さん、貴方がジンギス汗だという裏話もあるンですが、其処ン処はどっちですか?」
(義経)「はぁーて、そんな話になっていたンですか。とんと身に覚えありませんが」
(後藤)「なら、あの話は嘘ですね?」
(義経)「嘘です。きっと天狗の仕業でしょう」

(後藤)「何でそんなに自信持って言われるンですか?」
(義経)「元はと言えば私ゃ~牛若丸、一緒に暮らした天狗のしそうな事ぐらい分かります。」<ドドド~~ン太鼓の入りで おしまい>


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