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〇万葉集巻4の長歌に「たおやめのわが身にしあれば、 道守りの問はむ答へを言ひやらむ術を知らにと、立ちて つまづく」という例があって、 <私はか弱い女の身ですから、街道で番をしている関守 からどこへ行くのだと問われても、 どう答えて言い逃れしたら良いものかと一瞬行きどまっ てしまいます> という意味になりましょう。 ”躓(ツマヅ)く”は爪突くことで、昔の旅はと言えば、 草鞋(ワラジ)や足半(アシナカ)を履き、朝から夕方まで歩き 通し。 爪先は無防備に飛び出ているため、蹴躓いたら息を呑む ような痛みに暫し動きが止まってしまいますね。 現代人のわたし達も家具や柱に蹴爪突いた時は一声も発 し得ません。 これは加齢と共に頻繁化するので要注意ですね。 + 国会の答弁や記者団に詰め寄られた時の議員さんも暫 し掲題の和歌のように、蹴躓き状態を露呈します。 足半は草鞋を半分にした恰好で、<これは泥踵が無い為 に泥が跳ね上がる事がなく、足と履物との間に砂や小石 がつまる事も無い。 水中においても、小道具ゆえに水の抵抗が少なく、川の 流れに足を取られる事がない> という優れもの。 大きな釣鐘を曳き歩いたとされる力持ちの弁慶、足指を 守るこの至便な足半を履いていたのかも知れませんね。 (参考・鈴木裳三著「日常語語源辞典」(東京堂出版) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.12.10 08:03:01
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