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おるはの缶詰工場

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2007年02月14日
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カテゴリ:妄想天国
「ホントの本気でやるの?!」

 目を吊り上げた彩に詰め寄られて、透耶はじりじりと後ずさりをした。が、すぐにベッドルームのドアに追い詰められてしまった。

 最近身長が伸びだした彩は、前よりずっと迫力を増していた。昔も勝てなかったのに、今なんてもっと無理だ。

 透耶は早々に白旗を振って、「ごめん」と謝った。

「ごめんじゃないよ~! 明日が何の日だかわかってるの?」

「バ、バレンタインです」

「そんな日にカフェ開けるなんてっ」

 いや、だって普通開けるだろ。

 平日だけどバレンタインだからこそ、ウェイター目当ての女性客を当てにして。

 という反論は彩に受け入れられないとわかっている。

「ショタカフェなら、僕が睨みを利かせてチョコを阻止できるのに~!! 明日なんで平日なの?!」

 も~っとシャワー後の半乾き状態の髪を、グシャグシャと掻き混ぜた。

 いつもはサラサラの髪が、あっちこっちに跳ねてしまった姿は、子供らしくて微笑ましかった。

「風邪引くよ」

 彩の首にかかっていたタオルを取り上げ、優しく整えるように拭っていく。

「もうっ、どうしてそんなに余裕なの?」

「だって、俺にチョコレートくれるのなんて、同情した近所の奥様方くらいだよ」

 その奥様方が『可愛いわね~』と妙な秋波を送っていることに、透耶は全く気がついていない。

 だから嫌なんだよっ。

 と、裕輔さんの報告で状況を知っている彩は、叫びたいのを必死でこらえた。

 教えて変に意識されたら、余計な波風が立ってしまうかもしれない。

 かと言って、何を言っても真面目な透耶はカフェをお休みにしないだろうと、拗ねた気分で口を尖らせた。

 ―――かくなる上は…。

「じゃぁ、今夜はサービスしてくれる?」

 背伸びして囁いた彩の声はしっとりと濡れて響いた。

 付き合い始めた頃は、こんな些細な誘いにもいちいちビクついていた透耶だったが、慣れてきた今はそんなことはない。

「ぁ……」

 ビクビクするのではなく、今はとろりと蕩けるほどだった。

 甘い吐息の漏れた唇を難なく奪うと、手を伸ばして透耶の背後のドアを開けた。

 身長差がなくなるとキスするのが楽だなぁと彩はニヤッと笑った。

「ん…、あや?」

「ん~、僕背が大きくなったでしょ。だから、ね。…アレも大きくなったか確かめてよ」

 ここで…というように、ペロッと透耶の唇を舐めた。

 きわどい言葉に透耶がヒクッと怯んだ隙に、彩は強引にベッドに押し倒す。

「体格差がなくなってくると、押し倒すのも楽だよね」

 にっこりと笑う笑顔の裏で、明日の朝足腰立たなくすれば、お店を休むかもしれない…という打算があった。



バレンタイン企画、というほど量もなく…。というか「前夜」のくせに、すでに当日になっちゃってるし。
けど、突発的に書きたくなったお話です。
この続きも全く考えていないんですよね~。
あ~「アレの大きさ~」のくだりがちょっぴり書きたくて(苦笑)←下品ですみません。





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最終更新日  2007年02月14日 00時16分56秒
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