テーマ:アニメ!!(3877)
カテゴリ:ダイナミックプロ特集
ブロッケン伯爵は「マジンガーZ」の敵でDrヘル率いる地下帝国の幹部です。
ナチスの軍服に身を包み己が首を右手に抱えた異様な人物で鉄十字軍団を従え飛行要塞グールで戦闘指揮を執っていました。 Drヘルにより瀕死の将校がサイボーグとして一命を取り留めたものとして設定されていますが首ちょんぱなその姿はどう考えても悪い冗談としか思えません。 Drヘルとその部下というのは今の「スーパーロボット大戦」なんかであるとアットホームな関係、の印象なのですがこれは基本的にアニメ版の印象からきたものです。 声優が滝口順平ということもあり冷酷非情な人物という設定もどことなくユーモラスな感じも漂います。 アニメ版においてはDrヘルとともにグールをマジンガーZに撃墜され海の藻屑となります。これは原作のテレビマガジン版でも同様です。 また「少年マガジン」版においてはあしゅら男爵の海底要塞ブードとグールが激突するという最期を遂げました。 さてここからが本題です。永井豪の原作版をその内容と量において凌駕するのが桜多吾作による「冒険王」版です。 マジンガー3部作すべてを桜多は手掛けているのですが「マジンガーZ」は初期においてはアニメ版のコミカライズという性質が強いものでした。 しかし別冊付録「暗黒大陸のマジンガーZ」以後オリジナルの展開を多く見せるようになりアニメ版と内容の大きく離れた作品へと変質していきます。 さてブロッケン伯爵に戻ると桜多版では何故かアニメよりも3ヶ月も早く登場します。(弓教授のニセ者が出るボーカスD5の登場話) 「暗黒大陸のマジンガーZ」ではアフリカの既にDrヘルに支配された国の統治者「首なし」として登場。 以後、プライドの高いあしゅら男爵より有能な部下としてマジンガーZに対峙していきます。 ブロッケンの部下として桜多版オリジナルのヒゲの将校が副官が登場します。この人物は結構長く活躍したのですがしかしDrヘルにゴーゴン大公暗殺未遂の責任を全て被せられヘル自らの手で斬り殺されてしまいます。 この時の副官が「あ、あくま・・・」とヘルを呼びブロッケンに手を伸ばしながら「ブロッケン様・・・」と言いながら死んでいく様は非常にショッキングで印象深いものがありました。 このときのブロッケンの胸中はいかなるものだったのでしょう? このことが最後におけるブロッケンの造反を呼ぶことになるのです・・・。 桜多版「マジンガーZ」にはDrヘルが主人公である「たたかえ!Drヘル」というエピソードが最終話の前に単行本書き下ろしで(!)収録されていますこれは天才であったヘルの虐げられた少年時代から天才と呼ばれながら忌避された青年時代が描かれています。 Drヘルがああなったのは失恋した上、その暗い顔が女に忌み嫌われたことが原因であった・・、という凄い話なのですがそれはおいておいてブロッケンの話を。 ナチスドイツの科学者として殺人兵器の開発や人体実験を繰り返したヘルは瀕死のドイツ人将校を助けるというより人体実験のような形でサイボーグ化します。 これにより命を取り留めたブロッケンは戦後、ナチという資金源を失ったヘルへ恩返しをする義理固いところを見せ、ヘルの部下となるのです。 しかしそれは自らの無能と自己保身のため多くの部下を死へおいやるヘルの姿をみせつけられることだったのです・・・。 最後の戦いにおいて九死に一生を得て戻ってきたブロッケンに対するヘルの一言はねぎらいの言葉ではなく 「お前でもやりようによればマジンガーZに勝てる・・」でした。 ここからの「マジンガーZ」の主役は兜甲児ではなくブロッケン伯爵となります。 「あんたのような自己中心的で鼻もちならない馬鹿はみたこともない」 「(もしこんな奴とわかっていたなら) このブロッケン、お前のような奴の部下にはならなかったぜ!!」 と三行半をたたきつけるシーンは死んでいった部下への弔いの言葉だったのかもしれません。 このあと加速装置!!!を使いマジンガーZに挑むも惜しくも破れ散ってゆくその姿は多くの悪役の最期の中でも忘れがたいものとなりました・・。 まさに「漢」の最期に最大の敬意を払って黙祷したいと思います・・・。 ↑ブロッケン伯爵のフィギュアです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ブロッケン伯爵にそんな熱き「漢」の心と、部下思いで紳士的な面があったとは知りませんでした。アニメ版しか観ていないからでしょうね。でも彼のキャラクターは好きでした。アシュラ男爵やピグマン子爵よりも好きでした。
懐かしいキャラを思い出させてただいて、有り難うございました。 (2006.03.17 07:06:12)
century plantさん
桜多吾作版のDrヘルはホントにヒドいヤツなのですよ。 ゴーゴン大公につめよられて 「こいつが勝手にやったんだー」と叫ぶシーンはホントに無様。 ブロッケンも部下が殺されたのもありますがあきれはてたというのが本音かもしれませんね・・。 (2006.03.17 22:44:46)
桜多悟作の漫画版のブロッケンはかっこよかったんですね。
自分は桜多悟作のグレートマジンガーのコミックを親に買ってもらって喜んだのですが、内容は大人向けで子供の自分にはよくわからなかったです。 残酷シーンやお色気シーンも満載でした。 剣鉄也はかなりおっかない性格でミケーネ人をリンチしたりして「これでも正義のヒーローか?」と思いましたね。 でも子供の頃ピンとこなかった桜多版グレートも今思うと傑作だったと思います。 (2006.03.17 23:10:06)
たく7759さん、桜多版では「グレートマジンガー」がやはり一番出来がいい作品だと思います。おっしゃるとおりグロエロですよね。
私の子供の頃の最大のトラウマは お色気担当だったミサトさんの死のシーンです。 けいれんしているところが・・ あーっ!思い出すだけでイヤです。 (2006.03.18 00:48:08)
>おおさかあゆむさん
桜多版グレートはやりすぎですね! まさかあそこでミサトさんがぱっくり裂けて! 特に必然性がなかったのでびっくり! なにか恨みがあったのでしょうか、それとも可愛さあまって。 でも真っ二つに切裂いて内蔵出すなんてショックです。 全身から吹き出る鮮血がいや~ (2006.09.11 22:22:42)
jiro-さん
確かにあれには必然性が・・怨みの深い鉄也の冷静さを奪うためにやったという意味では効果は高かったようですが・・・。しかし、そのヤヌスの最期は結局かかれることが無かったわけで非常に不条理なものがあります・・。 死体がポイでグシャなのは辛すぎでした。 (2006.09.12 09:37:13)
>おおさかあゆむさん
確かに効果抜群・・・。その為に兜パパが死んじゃったようなもんですからね。 まあグレンにも登場していないことだし、ヤヌスはあの場で爆死とゆうのが妥当でしょう。 個人的には一騎打ちでミサトさんの敵~とゆうのもいいですが。 とどめはグシャとなったのミサトの死体----- 思わず鉄也…ミサト……さん (2006.09.13 21:13:16)
jiroさん
>確かに効果抜群・・・。その為に兜パパが死んじゃったようなもんですからね。 計算外とはいえヤヌスの大殊勲ですね。ここは普通やらないよなあ、でもやったら効果あるよなあという子どもむけヒーローもののタブー、主人公の大事な人間を殺すというのをヤヌスはやっているわけで・・。 ただ、やった相手が・・・訓練されたタフな兵士が死をもって特攻してくるとは考えていなかったところがいかにも地獄大元帥いやDrヘルらしい甘さだと思います。 >まあグレンにも登場していないことだし、ヤヌスはあの場で爆死とゆうのが妥当でしょう。 もしくは最後の特攻でキチンと倒されていないと読んでいる方も・・すっきりしませんね。ちなみにあの場の描写ではヤヌスは描かれていません。実は生存? 「グレンダイザー」にはあの場にいたはずのユリシーザーが登場しているのでなんともいえないところではありますが・・。 >個人的には一騎打ちでミサトさんの敵~とゆうのもいいですが。 >とどめはグシャとなったのミサトの死体----- >思わず鉄也…ミサト……さん トラウマが蘇る・・イヤ・・。 (2006.09.14 12:37:51)
大阪歩さん
>jiroさん >>確かに効果抜群・・・。その為に兜パパが死んじゃったようなもんですからね。 > >計算外とはいえヤヌスの大殊勲ですね。ここは普通やらないよなあ、でもやったら効果あるよなあという子どもむけヒーローもののタブー、主人公の大事な人間を殺すというのをヤヌスはやっているわけで・・。 >ただ、やった相手が・・・訓練されたタフな兵士が死をもって特攻してくるとは考えていなかったところがいかにも地獄大元帥いやDrヘルらしい甘さだと思います。 > >>まあグレンにも登場していないことだし、ヤヌスはあの場で爆死とゆうのが妥当でしょう。 > >もしくは最後の特攻でキチンと倒されていないと読んでいる方も・・すっきりしませんね。ちなみにあの場の描写ではヤヌスは描かれていません。実は生存? >「グレンダイザー」にはあの場にいたはずのユリシーザーが登場しているのでなんともいえないところではありますが・・。 > >>個人的には一騎打ちでミサトさんの敵~とゆうのもいいですが。 >>とどめはグシャとなったのミサトの死体----- >>思わず鉄也…ミサト……さん > >トラウマが蘇る・・イヤ・・。 ----- >おおさか&jiroさん わりこみます。 あのシーン必然性とゆうか、その前のヤヌスのセリフ…以下 ふふふ見つけたぞミサト&中略…代償をきさまがはらうのだあ 完全にミサトを的にかけているやんけエエエ- つまりこの作戦自体の目的にミサトの惨殺にあったことをうかがわせます。(まあ半分は地獄大元帥の腹いせでしょうけど) しかしその効果に至っては、うれしい誤算とゆうところでしょうが! あいてが甲児と違いプロの鉄也ですからね! (2006.09.15 23:00:22)
おおさかあゆむさん
>それにしてもこの娘の人生っていったい何だったんでしょうね。 初登場でいきなり脱がされる(レイプ未遂ですが…)、次話では甲児に脱がされ、とうとうオールヌードに、さらに股間をいじられアソコを…うふふ キスシーンも登場人物中最多 グレートではこんどは鉄也にレイプまがいのセクハラを受けキスの強要 最後はビビビ…でグシャですからね。 最後の半分になった顔は児童誌でここまでやらなくてもと正直思います。 せめてミサトさんの死亡イベントでもやりますか (2006.09.16 02:09:17)
jiroさん
そんなミサトさんですが、実はその後があります。これは実はネタとしてとっといたんですが・・。 ご存知かどうかわかりませんが桜多吾作は「新スーパーロボット大戦」のアンソロジーコミックに漫画を描いたことがあります。 主人公は兜甲児。宇宙にせていくガンダムら新型ロボットに対し地球の守りを固める、という「こちとら旧式だい」、というようなアイロニカルな話です。 登場する敵は蘇ったあしゅら男爵・・・。考えようによっては非常に残酷でシビアな展開にもとれるストーリーが展開するのですが本作のヒロインがさやか、というよりあの桜多版デザインまんまのミサトさんでした・・・。まさかミサトさんの元気な姿が20世紀末に確認できるとは・・! ・・・昔と同じようにさんざんセクハラされてましたげど(^^)。 (2006.09.16 06:43:15)
jiroさん
掲載されたのはmovicの「新スーパーロボット大戦」のアンソロジーコミック「スパロボX」です。 ゲームが出てからかなり経ってから発売されたものでひょっとして桜多先生の原稿が遅れたせいかなと邪推してしまいました(桜多先生ごめんなさい)。作画は不安定なのですが時折往年の迫力ある絵があったりしてファンなら一見の価値はあるのかなと思います。 以前は古本屋で時折みかけましたがもう98年の発売なので・・。かくいう私も最近古本屋で見てネタにするため買ってきました(^^)。 (2006.09.18 20:49:17)
>おおさかあゆむさん
ありがとうございます、早速確認しました。 う~ん、この手の書籍はノーマークでしたので驚きました。桜多先生はコミカライズはもう執筆されないと思っていましたので、どうゆう経緯で書かれたんでしょうね。 内容は随所に桜多ティストが満載で弓教授の爆死(…また勝手に殺しているし)、マジンガーの量産(おいおいまたかよ)等等思わず突っ込みたくなる内容ですね。 ミサトさんですが少しアダルトになっての登場で、 良いですね。最後の弓教授のクローンはグロですが…(あ~いやだトラウマになりそう) この展開ですとミサトさんも実はクローン? 甲児の後ろに並んでいたして-----うーん (2006.09.19 21:25:19)
jiroさん
早いですね!というか・・よくあったなあと驚きです。 私もこれのことを思い出してから再度探して購入するまでしばらくかかりましたので。 桜多先生の絵柄、頭が大きくなって線がすっかり変わってしまいましたね。 なんとなく「グレンダイザー」最終巻の紛失原稿部分を思い出しました(あれは桜多先生がご自分で書かれたのでしょうかね?)。 一瞬マジンガーのアップが往年の輝きを取り戻しますが後は・・・。ミサトさんにはもうちょっとセクシーな見せ場もほしかったかと・・。 しかしゲームにもでてこない人物をフィーチャーして・・・アンソロジーの枠を完全に逸脱してますが・・。 でも・・考えるとこの話はかなり鬱な話ですよね・・。 (2006.09.19 23:00:01)
ASUKAさん
ごめんなさい、見落としてました・・。 「獰猛で残忍な」ヤヌスらしい人間の心の弱さを突いた作戦ですよね。優れた戦闘のプロですら冷静さを失うような残酷過ぎる仕打ち・・・普通こんなシーンは描かない、考えても描かないです。 しかし・・桜多版マジンガーシリーズが今読んでも異様な雰囲気と高いテンションをもっている理由のひとつは一連の死の描写の過剰さにあるような気がします。 チップカモイの彼女の死もブロッケンもブロッケンの副官もゴーゴンもバーダラーも自衛隊のオヤジも兜剣造も闇の帝王もその他多くの無名の人々の死も・・・。 (2006.09.19 23:14:06)
おおさかあゆむさん
>なんとなく「グレンダイザー」最終巻の紛失原稿部分を思い出しました(あれは桜多先生がご自分で書かれたのでしょうかね?)。 あれはアシスタントが書いたんじゃないかと疑ってしまうような絵柄ですね。元々荒い画風なのですがそれにしても荒いとゆうより雑!真相は? >もうちょっとセクシーな見せ場もほしかったかと・・。 賛成です。ぜひあの続きが見たい >しかしゲームにもでてこない人物をフィーチャーして・・・アンソロジーの枠を完全に逸脱してますが・・。 そうゆう人なんです桜多先生は。しかしブロッケン伯爵が人相の悪いただのおっさんになっていたのは残念です-----。 (2006.09.20 21:27:09)
jiroさん
「グレンダイザー」のラスト近くの絵の乱れは基本的に原稿紛失(特に最終1話前)が原因ですよね。 秋田サンデーコミックスの未収録部分がサンワイドで完全収録される際に原稿紛失していた部分を書き直しをしてます。 これが誰が描いたかわからない。 多分桜多先生は描いていないと思います。 したがって誰かが模写をしているのですがこれが漫画家がかいたとは思えない・・とんでもなく下手なものですよね。 これならいくら汚くてもそのまま雑誌分を印刷した方がましなような気がします。 とにかくせっかくの復刻だったのに当時の桜多先生ご自身は過去の仕事ということであまり気乗りがしなかったのかなという気がしますね。 サンワイドの時の表紙は桜多先生のかきおろしとサンデーコミックスの流用が半々ですがサンワイド「グレートマジンガー1巻」の表紙絵はスパロボX版に近い絵になっていますね。 (2006.09.20 22:49:54)
ASUKAさん
すいません私も見落としていました。てっきり二重かと----- たしかにそうですね。ヤヌスの視線も殺意もミサトに向けられています。ヒーローの大切な人を殺して動揺を誘い勝利するとゆう手法は他でも帰りマンでナックル星人が実行し大勝利を得ています。 ウルトラマンですらそうなのですから鉄也の動揺は計り知れないものだったんでしょう。 ヤヌスはもともと諜報部ですからミサトと鉄也の関係を調べ上げた上で立案したんでしょうが‐‐‐ しかしそれにしてはデモニカを研究所に突っ込ませるなんて…建物が倒壊し、みんな瓦礫の下なんてことになったら元もこもないでしょうに。 (2006.09.23 03:20:26)
僕も「たたかえDr.ヘル」を見ました。顔が気味悪いと世間から虐げられて更には彼を悪の道へと誘ったのは兜十蔵(アニメ版のまともな甲児の祖父)と、その恋人。彼も被害者だったのですね…。ブロッケン伯爵がDr.ヘルに愛想を尽かし指摘したのはかっこよかったですが、ヘルの過去を見たらかわいそうでした…。もし全作品のマジンガーでヘルが同じ過去があったら劇場版「マジンガーZ/インフィニティ」で兜 甲児が言った「人間には神と悪魔の両方がある」ということになります…。
僕だったらヘルを救ってやりたい…。 (2018.10.15 04:12:36) |
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