2006/03/18(土)01:33
あしゅら男爵史上最大の作戦・・ダイナミック悪役列伝3
あしゅら男爵は「マジンガーZ」の悪役の中では一番有名ではないでしょうか。
Drヘルが古代ミケーネ人の夫婦ミイラの半身ずつをくっつけて生き返らしたという何故そんなことをという非常に理解に苦しむ存在です。
そんな複雑な手術なのにあまり利点がない過程の末誕生したあしゅら男爵は状況判断が悪くミスが多い悪役で(てゆうか、ドジっ娘?)
光子力研究所占領作戦の際、自分だけ捕らえたマジンガーZの監視という役割に我慢できずに研究所に自分もむかい作戦を失敗させた
(57話「Drヘル日本占領!!」)のが特に印象が強いです。
アニメ版でのあしゅら男爵の最期(78話「あしゅら男爵太平洋に散る」)は自分の駄目さ加減に絶望し思いつめた末(鬱病だったのでしょうか?)
単独の作戦を行い最期には海底要塞ごとマジンガーZに特攻するというものでした。
マジンガーの死を確信しつつ死んで行く姿は涙をさそいます。
このときのゴーゴンやヘルのあしゅらの勇壮な死を悼む姿が結構泣かせます。
(とはいえ、すぐつぎの週にあしゅら男爵型の機械獣を作るのはやりすぎと思いますが・・)
コミック版では「マジンガーZ]の方ではブロッケンの項で述べたとおりですが後に
「Zマジンガー」では機械の身体で登場したり
「マジンサーガ」では後ろ前に顔があったり
果ては「マジンカイザー」において
「いいあしゅら男爵」などというわけのわからないやつまでが登場したりしています。
そんな中やはり印象的なのは桜多吾作版です。
限りない失敗と侮辱の連続に耐えられなくなったあしゅら男爵は地下帝国の資金や資材をを横領します。
横領を知ったブロッケンは処刑を主張しますがヘルはあきれて愛想つきたからほっとけ、みたいな感じで突き放しさらに悲壮感漂います・・。
このときのあしゅらのコンプレックスに満ちた台詞がいいです。
「いまに見ておれ人をいつもいつも小ばかにしくさるくそじじいと首なし野郎め」(※手元に資料がないので記憶で描いてます。いいですね。)
いつも失敗するはずのあしゅらとは思えない非常に理知的な姿が描かれ地球の自転を停止する「RI計画」は全人類の命をもって世界を脅迫するという史上最大規模の作戦として敢行されてゆきます。さらにマジンガーZと兜甲児をも手中にするのです。
この際、あしゅらの成功にすりりマジンガーを機械獣にして日本製服を説くヘルに
「うるさい、じじい、私は日本征服じゃなく世界を相手にするのだ」とあしゅらマジンガーがロケットパンチを食らわすシーンはいままでが今までだけに爽快です。
この後のあしゅらが甲児を仲間にひきいれようとする件り、何の特にもならない正義と日本をお前にやろうという言葉に揺らぐ甲児の図がリアリティがあって面白いです。(日本をもらって女の子をはべらす、というのが卑近でいいなあ。)
結局、一文の特にもならない正義を選んだ甲児により計画を阻まれたあしゅらはすべてを失います。
次のエピソードにおいて甲児への復讐のため火傷にただれた姿で登場するあしゅらでしたが一太刀をあびせることも出来ず顔を砕かれ誰にも看取られず誰にも悲しまれずに死んでいくのでした・・。切ない・・。
↑この方までフィギュアになってます。