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↑「黒澤明VSハリウッド」 日本映画史上の謎とされているアメリカと日本の合作映画「トラ!トラ!トラ!」(黒澤の脚本にかかれているのは「虎虎虎」)の黒澤監督解任事件。 今回のこの作品はこの事件について非常にわかり易く謎解きしてみせた1冊でさもありなんという印象を抱かせる1冊です。 「トラ!トラ!トラ!」は20世紀フォックスによる日本の真珠湾攻撃をアメリカ、日本双方から描くという企画でした。 実際には黒澤明は解任され深作欣二と舛田利雄アメリカ側はR・フライシャーの共同監督により完成にこぎつけました。 この本はまず1本の映画から始まります。 「暴走機関車」(のちに85年アンドレイチャルコフスキーが映画化)が「トラ!トラ!トラ!」の前にアメリカで企画、撮影寸前まで行っていながら黒澤の完璧主義故に中止(その時点では延期)になっています。 これはもったいない。この非常に面白い脚本をもつ映画が黒澤の手で完成されていたら黒澤映画の歴史はかわってていたかもしれません。 この製作中止に関る一連の流れは「トラ!トラ!トラ!」が不幸な結末になる点ときれいに重なっています。 「黒澤明VSハリウッド」では以下の点について考証してゆきます。 1.黒澤明が構想した「虎虎虎」とはどのような映画であったか 2.黒澤明という映画監督の特異性 3.「トラ!トラ!トラ!」撮影時の実際の黒澤監督の奇行」 4.黒澤プロと20世紀フォックスの実際の契約内容 その誤解 その中で黒澤明と黒澤プロが契約の内容を理解していない、立場をわかっていないことが浮き彫りになりそれが全ての事件の要因となるのです。 そんな中極めてエキセントリックな黒澤明という人物が克明に描かれています。 撮影日誌にはいくつもの黒澤監督の「奇行」が記載されていてこれがこの本の面白さの肝だったりするのですが例えば 「ファンファーレ事件」 「ヘルメット事件」 「ガードマン事件」 などがかなり面白い(といっては語弊がありますが)。 やくざ映画を多く作っていた京都太秦の撮影所で身の危険を感じた黒澤が常にガードマンをつける、おしっこするときもガードマンと一緒、という図は考えると滑稽な図で悪いですが笑ってしまいますね。 東宝を離れアメリカの製作の下、京都太秦で東映のスタッフとの仕事となる中今まで通りのやり方が通用するはずもなく黒澤はおいこまれていったのかそれともいつも現場ではこうだったのでしょうか。 また黒澤は自分の立場を編集権をもつ総監督だと思っていました。実際には日本側の監督でしかなかったのですがこのい辺りにもすでに大きな問題がありました。 とにかく黒澤明について興味のある人は読んで損のない本だと思います。 映画における編集権やファイナルカットの話も興味深いもので名作「荒野の決闘」のラストが監督の手による編集編の産物だというのはちょっと驚きでしたね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.06.03 10:54:40
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