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テーマ:特撮について喋ろう♪(5440)
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『野獣狩り』はかって1959年の『野獣死すべし』を撮った
須川栄三監督の作品で藤岡弘主演の僅かしかない 東宝ニューアクションの1本。 須川監督は後期の植木等主演作品や名作『蛍川』も良いが『野獣狩り』の面白さは群を抜く。 翌年『野獣死すべし復讐のメカニック』を同じく藤岡弘主演で撮っているが こちらはDVDで発売されているのだが『野獣狩り』は未発売のままだ。 黒の戦線という過激派グループがコーラ会社の社長を 誘拐し身代金を要求する。 意外な監禁場所、東京の街のど真ん中の巨大な垂れ幕や 道端での身代金の扱い方法など斬新なアイディアと描写、 犯人の奇想天外な身代金要求、引渡しのサスペンス感が ホントに面白い。 劇場版の『踊る大捜査線』の警視総監誘拐を巡るサスペン スはこの作品の影響下に作られたと聞くが納得である。 ビル屋上を俯瞰で撮ったシーンでは藤岡弘がビルとビルの 狭い空間を飛ぶ、とんでもないシーンがある。 このアイディアは撮影監督の木村大作によるもの。 木村の300ページに及ぶインタビュー集「誰かが行かね ば、道はできない」は優れたアイディアマン木村の才気と 強い個性を知ることが出来る面白い本だがこれによると 木村の出した撮影プランに躊躇して飛ばない藤岡(多分、 仮面ライダーの事故のことが頭をよぎったのではないか) 前で焦れた木村が実際に飛んでみせて藤岡を追い詰める、 というこの映画そのもののような緊迫したやりとりがあった らしい。 それに続く激しい過激派との戦い、銃撃戦は息もつかせぬ、 というのは使い振りされた形容だが まさに文字通りのそれで観る者を緊張させ興奮させて やまない。 全てが終わった後のやるせなさばかりが残る結末は70年 代中頃の時代を大きく反映している。 序盤では過激派の行動に藤岡の若い刑事はシンパシーを 憶えるのだがそのやり口にやがて失望する。 この辺り学生運動の挫折、日本赤軍の事件などの時代 背景とは無縁ではなくこの虚無感はニューシネマに通じる。 ここで本題だが・・・特撮ファンにとっての本作のもうひと つの見どころはサンダーマスク・命光一を演じた菅原一高 が出ていることだろう。菅原は過激派の一人で女性メンバ ーと恋愛関係にある暗い影のある青年を演じている。 警察犬に見つかり噛み付かれながらの格闘シーンでは 苦痛のあまりのサンダーばり(!)の絶叫がみられる。 見所は何よりも走る藤岡に対しタクシーで逃げる菅原、 という追っかけシークエンス。 このシーンをワンカットで、と主張したのはやはり木村 大作である。 タクシーに載って逃げる菅原と後ろから追ってくる藤岡の 姿を捉えているのだが次第に差を縮めていくあたりの怖さ はワンカットであるが故に最大級の効果をあげている。 観る者は恐らく菅原と一緒に追う藤岡の姿に恐怖を抱く・ ・・サスペンス描写の見本がここにある。 以上、滅多ヤタラに面白い「野獣狩り」だがDVD化されて おらず時折のCS日本映画チャンネルでの放送位でしか楽 しめないのは残念でならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.08.23 19:22:11
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