あいちゃんが産まれる1999年12月31日4時29分。 20世紀最後のこの日、あいちゃんは産まれました。体重2095g。 身長43cmの、小さな赤ちゃんでした。あいちゃんが産まれると、先生達はすぐに、あいちゃんを赤ちゃんようのベットに移しました。 緑いろのポンプで空気を送り込んでいるのだけが、私の所から見ることができましした。赤ちゃんは産まれてすぐ、1度、お母さんの顔を確認するために、目を開ける、とどこかで聞いたことがあります。 私はそれを見るのを楽しみにしていました。 でもあいちゃんは産まれるとすぐ、先生達の処置を受けなけれがなりませんでした。 胎盤の処理などがあって、ベットから起き上がることはできませんでした。 主人はあいちゃんのそばにいました。 “僕の指をぐっとにぎったんだ”とあとで教えてくれました。 30分ほどして、隣のチルドレンズホスピタルに移す準備がととのいました。 私はまだ1度もあいちゃんに触れていませんでした。あいちゃんの顔さえ、ちゃんと見る事ができずにいました。すると、看護師さんが、“お母さんに1度、赤ちゃんを抱かせてあげてください” と先生にたのんでくれました。 私は5秒ほどあいちゃんを抱くことができました。 目を少し開けていました。 “がんばってね”と言って、あいちゃんのおでこにキスをすると、あいちゃんはまた自分のベットに戻って行きました。 それからすぐ、あいちゃんはとなりの病院に移されました。 主人はあいちゃんといっしょについて行きました。 私は1人になりました。 1人になっていろいろ考えていました。 あいちゃんは次に私にあったとき、私が母親だっていうことがわかるのだろうかと、不安に思いました。 抱いてあげることも、ミルクをあげることも、私にはできませんでした。 次に私があいちゃんをだけたのは、あいちゃんがお空にいく前の数時間でした。 |