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尾谷幸憲の「物書き的な何か」

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November 15, 2012
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カテゴリ:流行

というわけで、出版業界・電子出版業界の人だけにこっそり注目されている「40歳のおっさんがアップルで電子書籍を出してみて」の第三弾でございます。

前回までの話をまとめておくと、『リビドーに直接訴えかけるものしか売れない』『タイトルが相当重要』『アップルAPPストア内のランキング事情』なんて話をしました。
(一応、情報を更新しておくと、この2ヶ月あまりのAPPストアのブックランキングでは、直接リビドーに訴えかけるものの他、やけに歴史ものが受けてました。おそらく「読書の秋だし、教養ものじゃないっすか、やっぱり」「だったら歴史ものとか出しておけばいいんちゃう?」という思惑とかがあったように思えます。でもそろそろこの流れも変わるでしょうね。たぶん2013年の占いとかくるんでねーの?)。

話を元に戻しましょう。先ほど書いたとおり、アップルAPPストア内で売れる電子書籍というのは、リビドーに訴えかける内容、それを直接的に伝えるタイトルが必要です。しかし、これだけではパズルのピースが足りません。

足りないものとは何か? それが「魅力的なアイコン」、そして「ネット上でのプロモーション活動」です。今回はその後者に関して言及したいと思います。

これはリアルな紙の本でもそうなのですが、売れる作品の多くは著者の才能と本の魅力以外の要素が存在しています。その本を本気で売ろうとする人々、つまり出版社の編集担当さん、営業・宣伝担当さん、取次さん、書店さんです。いくら内容の面白い本であろうと、この人々が頑張ってくれない限り、その本は売れません。

この図式はアップルの電子書籍の世界でもまったく同じです。ただし、若干の違いがあります。自分の『恋愛強者の極モテ術♂』の場合でいうと、販売店がアップルのAPPストア、テキストのアプリ化などの制作+プロモーションがアプリの制作会社さん、そしてプロモーションの場がネット上ということになります。

電子書籍の市場というのはまだ未成熟でして、その存在を知らない人もいるし、知っていても購入したことがない人が多い。いま国内にあるiOS機器は確か700万台だか800万台くらいだったはずですが、電子書籍を購入している人はそのうちの数割程度でしょう。そんな中で物を売るには、やはりプロモーションが必要です。特にクリックするだけで購入につながるネット上でのプロモーションは重要なウェイトを占めています。詳細に関してはオフレコ事項も多いのでゴニョゴニョと語尾を濁す形になるのですが、とにかくアプリ制作会社さんはネット上で自分の電子書籍を宣伝しまくってくれるわけです。

もちろん、あなたが村上春樹さん、村上龍さんのような名だたる作家さんであれば、名前だけで検索&購入してくれる人がいるので、多くのプロモーション活動は必要としないでしょう。たとえ有名でなくても、ツイッターのアカウントを50個くらい所有していて、そのアカウントすべてに数千人のユーザーがいるのであれば、ツイッター上で毎日一時間ずつ宣伝すればそれなりの効果があると思います。しかし、そんな立場やインフラを持つ人、努力を続けられる人は少ない。

ですので、もしあなたが「電子書籍を売りたい」と強く願うのであれば、ネット上のプロモーション活動が上手な業者さんとくっつくのが一番効果的だと思います。逆に電子書籍を作ることはするけど、ネット上でのプロモーションはあまりしません、という業者さんには疑問符が残ります。だってテキストをアプリ化する、アップルに申請するのは自力でもできるわけですからね。

いかに自分の作品を世に広めてくれるか? どれだけチンドン屋をやってくれるのか? ピーヒャラピーヒャラ、ドンドコドンとやってくれるのか? そこが重要です。

以上で第三回目の連載は終了です。あ、ちなみに上記の情報は2012年秋現在もので、もしかしたら一年後くらいに新しい状況がはじまっているかもしれませんが、そのへんはあしからずな感じで。 


(以下不定期更新的につづく)




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Last updated  November 16, 2012 10:26:49 AM



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