小渡樹（おどたつき）の部屋

　これは未完というより、
　潰された漫画と言った方がいいかもしれない。

　１９７３年に週刊少年ジャンプで連載されていた
　小室孝太郎の漫画作品である。

　小室氏は１９６９年にジャンプでＳＦ漫画「ワ－スト」を連載。
　これが代表作となる。
　　
　続いて心霊漫画「ミステリオス」を経て、
　今日紹介する「アウタ－レック」となる。

　しかし、先の２作品は単行本化もされているが、
　「アウタ－レック」は連載のみだ。

　物語は未来。
　ヒットラ－にそっくりな風貌の独裁者の総統の元、
　コンピュ－タ－に管理された社会。

　その社会の中で、
　ゲリラ活動を行う主人公。
　「時計仕掛けのオレンジ」の主人公・アレックスのような黒い帽子を被り、
　黒マントを羽織り、
　警察や軍をあざ笑うかのように神出鬼没の活躍をする。

　最後は崩れ行く巨大コンピュ－タ－と、
　総統を裏で操っていた科学者が共に最後を迎えるオチだったような・・・。

　連載回数２１回という少なさもあるが、
　唐突で尻切れトンボのような終わり方は、
　子供心に納得がいかないものがあった。

　１９９７年に出版された洋泉社ＭＯＯＫ
　「つっぱりアナ－キ－王」２６ペ－ジに
　小室孝太郎インタビュ－が掲載されている。

　それによると
　「アウタ－レック」連載終了は
　編集部の圧力だった。

　その辺のところを数年前、
　「まんぱら」というサイトに投稿したら
　掲載されてしまった。
　「手塚治虫の後継者になれなかった男・小室孝太郎の悲劇」というタイトルで、
　下記のアドレスに載っているので、
　よろしければ年末年始の暇つぶしに読んで下さい。

　http://manpara.cool.ne.jp/435komuro-ronko.html