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カテゴリ:宇宙
7年かけて土星に到着した探査機「カッシーニ」のおかげで、最近は土星の話題が多い。
タイタンは土星の衛星のなかで最大で、月の直径の1.5倍程度だそうだ。唯一大気に覆われているため、望遠鏡で表面が見えない。見えないと見たくなるのがヒトの癖。そのルールはこの地上でも同じ。 カッシーニから放たれた観測機が、無事タイタンの地表に到着した。落下傘で降下中や地上で撮影した写真を送信してきた。川や海岸らしき地形が見える、「岩」がごろごろしている。だが「岩」は氷だそうで、そこらへんがピンとこない。しかしよく考えれば、地球でも氷河の末端では、氷が岩のようにごろごろしている。 タイタンの地表における大気圧は1.5気圧とか。大気を構成するガスは、窒素が大部分でメタンが3%ほど。それが地球の創生期と同じということで大騒ぎしている。しかし、大気組成が同じだけで、どこまで「地球」になれるのか。だれでも心配するのは、マイナス180度という低温だが、これを生命が克服できると「夢」を抱いている。 生命が誕生するためには、やっぱり「液体」が必要と考える科学者がいる。マイナス180度では水が凍ってしまうので、メタンが代役を務めると仮定している。タイタンの気温なら、ちょうど、地表でメタンが蒸発し、メタンの雲をつくり、メタンの雨を降らせ、メタンの川が流れると言う。 生命の誕生には、細胞の材料になる有機物(たとえばアミノ酸)があらかじめ用意されることが必要だと、かなり前から考えられてきた。もしタイタンに生命を想像するなら、タイタンにある材料で有機物が合成されねばならない。実験室では、タイタンの大気組成に稲妻を走らせると、たしかに茶色い有機物が出来た。地球の生物から類推すると、生命にたくさん必要な元素は、炭素、窒素、水素、酸素、リン、硫黄、ナトリウム、カリウム、カルシウム、などなど。炭素はメタンから、酸素は水から、水素はメタンや水から得られる。 タイタンの川や海が黒く見えるのは、大気中で合成された有機物が、メタンの雨で落ちてきて溜まったのではないかと言う。しかし、地球の例では、そういうものはみな生物に食べられてしまう。だから、それが残っていることは、「生命」がいないためでは? ま、タイタンに水を差すのは止めよう(すぐに凍ってしまう)。これ以外にも気になることがあるのだが、それを書くには化学が必要。化学は、元素記号や「分子の構造式」で、物質の移り変わりを描く世界。これをアニメ化する妙案もないから、いつも困っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年02月19日 13時13分02秒
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