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テーマ:今日の一言(1728)
カテゴリ:環境
過疎地とは、言うまでもなく人口の流失が続いた山間の集落を指す。一方、過密地は住宅を積み重ねたアパート群、とくに高層マンションを指すことにする。それぞれを大地震が襲ったらどうなるのか?
新潟の中越地震で、前者が明らかになった。山古志村を中心として、あちこちに孤立した集落が出現した。そして孤立の理由は道路の寸断。この地域のもろい地質を反映してか、あちこちの山の斜面が崩落して、道路を覆い、果ては谷を埋めつくして池が出現した。水はなんとか自前でまかなえても、食料や燃料の補給、そして医療は車に依存してきたから、孤立して命が脅かされる状態となった。 その状態から徒歩で脱出した人もいるだろう。しかし、老人を中心としておおかたの人はヘリコプターで脱出した。脱出によって救援が可能になったのである。 それでは過密地の高層マンションはどうなるだろう?最近の地震でその初歩が示された。エレベーターが停止して、マンションの高層部が孤立することが明らかになった。最近のエレベーターは最寄りの階に停止して安全だとされてきたが、エレベーターボックスにロープが絡みつく例が出て、脱出に2時間を要したという。停電もなく、周辺の交通も正常だったので2時間ですんだが、大地震なら自動車が土石に埋まった新潟と同じだったのでは? 機械的故障がなくても、停電になればエレベーターは動かない。それどころか水道もやがて止まる。過疎地と同じように、水、食料、燃料(電気)、医療の孤立が起こる。水は過疎地より深刻で、水洗トイレの利用も困難になる。唯一の救いは、脱出のための「徒歩区間」が短くて、気分的に楽なこと。しかし、老人が何十階も非常階段を下り、場合によってまた上るのは不可能。若い人でも10リットルの水を簡単に持ち上げられない。(この問題は台風で2,3日間の停電が起こった広島市の高層マンションで経験ずみ) こう考えれば、過密地と過疎地は生活が全く違っているにもかかわらず、類似点が多い。笑ってすませない問題である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月10日 11時06分13秒
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