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カテゴリ:宇宙
NHK「爆笑問題のニッポンの教養」、12月11日放送で、理化学研究所の上田泰己氏(システム生物学)が登場し、「体内時計」が話題となった。
「体内時計」と言うと、個々の生物が持つ時計というイメージだが(実際そうだが)、かっては「生物時計」と言っていたと思う。この言葉との出会いは、おそらく1960年代のことで、「自然」(中央公論社?)の誌上でなかったか。 それを思い出すと、すごくなつかしい。「体内時計」がここ10年のほど、生物学におけるホットなテーマにかかわらず、そう感ずるのは、私の「体内時計」がウン十年も時を刻んでいるからにちがいない。つまり「体内時計」と言えば、古ぼけたのも、新品もあるのである。 私が「生物時計」を初めて読んだとき、同じ生物でも、単細胞の細菌とか酵母を研究していた。だから、動物の話としての「生物時計」とは無縁と考えたのだが、早計だったか。今になってみれば、「体内時計」は遺伝子支配なので、単細胞生物にもその原型はあるだろう。そして、酵母に近い菌類(麹菌、キノコなど)では、光や季節の影響を受けるものもあると記憶するので、「体内時計」は菌類にも意味ある存在かもしれない。(あるいは研究が進んでいるかもしれないが、番組には登場しなかった) その後も「生物時計」の解説記事を見つけると、必ず読んだ。それにしても「生物時計」はなぜ必要なのか。ヒト様が年齢を指折り数えて、老後を心配するためでないことは明らか。 「生物時計」の基本単位は年と日。これは地球の公転と自転に由来している。地球生命が、地球に限定して進化した以上、当然だろう。太陽エネルギーを最適に享受するためには、季節や昼夜を感知し、それに依存しなければならない。もし地球以外に生命が存在すれば、地球時間とはずれた「生物時計」が生まれるにちがいない。 1年を何月に分けるか、1日を何時間に分けるかは、ヒトの文明に影響された。現在の世界標準の時刻で見たとき、各人の「体内時計」は自分の体に、周期的にいろいろなことをさせている。最近、頻尿気味の私は、尿量が最大になるのが18時という情報に目をとめた。しかし、私はずれている!「体内時計」を支配する遺伝子の塩基配列にも、個人差があるのだという。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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