おしゃれ手紙

2004/06/11(金)20:44

時計の無い暮し

里山・歳時記(285)

子どもの頃、家の柱時計は壊れていた。 直す、お金が無かったので、私が、もの心ついた頃から、ずーっと止まったままだった。 けれど、それでも生活に支障はなかった。 夜が明ければ、仕事をし、暗くなると眠ったから・・・。 テレビもラジオも家には無かったから、番組の時間を気にすることも無かった。 夜明け前に、父が星の位置を見て、 「ああ、もう夜が明ける」と言った。 一日に数回通るバスの音を聞きながら 「昼のバスが帰ったから、ボチボチ、昼飯にしよう」と母が言った。 太陽が西に傾いていくのを見ながら、 「もう少し、遊ぼう」と私は、遊び呆けた。 星の動き、太陽の動き、鳥の声、バスの音・・・。 白んでいく空、高く上った太陽、沈む夕日、闇、蛍の光・・・。 それら全てが、私たちに、時を告げた。 けれども、その時は、時間単位でも分単位でもない。 「時の記念日」の今日、ふと、遠い昔の、 昨日から、今日、そして明日へと、連綿と続く、のどかな時を思い出した。 ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。  ★6月9日*昔はどうしていたんだろう:油きり*UP

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