テーマ:愛しき人へ(908)
カテゴリ:父の麦わら帽子
父は70歳になってもまだ龍野市で肉体労働をしていた。
しかし、父より年下の知人が死んだのを機に言った。 「わしは、もう働かん。岡山に帰る」と。 そして20年ぶりに岡山の生家に帰っていった。 20年間住んだ龍野市では、友達が沢山出来た。 父より10歳以上年下のT氏もそのひとりだった。 彼は父の仕事仲間であったし、飲み友達でもあった。 2002年3月、岡山で執り行われた「お別れ会」にT氏の奥さんが来てくれた。 「夫が**さんのことを書いていました。 家に帰ったら送ります」T氏の奥さんは言った。 そして約束どうり、送ってくれた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 子らはみな 成人なせる老夫婦 二十年ぶり出稼ぎ地を去る 1月17日に故郷の岡山県**郡**町へ帰る、**老夫婦。 朝、8時より荷物運搬を手伝い岡山まで行く。 生涯に忘れがたき人なり。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ T氏が、偶然、父と母が岡山に帰った時のことを書いて残してくれていたのだった。 父達が岡山に引き上げたのは、1月17日だったのか・・・。 その日も、今年の1月のように寒かったのだろうか・・・。 父達が岡山に帰ってからも遊びに来てくれたT氏もその10年後に68歳で死んだ。 あの日から20数年が経った。 T氏が死んで、叔父が死んで父が死んで・・・。 けれども、父達の岡山に帰った時の記録は、T氏の思い出と共に残っている。 ・・・・・・・・・・・・・ ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。 ★1月26日*父の麦わら帽子:孫のために生きる・・・。* UP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.09.26 19:15:41
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