テーマ:映画館で観た映画(8325)
カテゴリ:映画
キレイになって、逝ってらっしゃい。 リストラを機に帰郷した、チェロ奏者の大悟。 高給と短い労働時間にひかれ、求人に応募した彼だが、その内容は棺へ遺体を入れる納棺師という仕事だった。 戸惑いながらも、妻の美香(広末涼子)には冠婚葬祭関係=結婚式場の仕事と偽り、納棺師(のうかんし)の見習いとして働き出す大悟。 美人だと思ったらニューハーフだった青年、 幼い娘を残して亡くなった母親、 沢山のキスマークで送り出される大往生のおじいちゃん・・・そこには、さまざまな境遇のお別れが待っていた! 戸惑いながらも大悟は、さまざまな境遇の遺体と対面していくことに。 遺体を棺に納める納棺師となった男が、多くの別れと対峙する、本木雅弘主演の人間ドラマ。 一見地味だが、人生の最期に必要な職業を通して、家族や夫婦愛のすばらしさを描く。 ■まずタイトルがいい。 「納棺師」ではいけない。 ここは、やっぱり「おくりびと」、しかも、絶対に「送り人」でなく「おくりびと」!! 単なる棺桶に納めるから人生のお別れをおくる人という意味に変わって、広がりを持たせる。 ■テーマがいい。 死は、誰にでも訪れるテーマ。 こんなに身近なところにテーマがあったのかと映画を見ながら、感心した。 ■キャストがいい。 主人公の大吾をモックンこと、本木雅弘、彼の新たな勤め先「NKエージェント」の社長を山崎努が演じた。 大吾(本木雅弘)の行う納棺の儀は、まるで茶道のような美しさだった。 また、納棺師になる前は、チェロ奏者だということで、チェロを弾くシーンが多いが様になっていた。 ■背景がいい。 山形の美しい田園風景もいい。 一番気に入ったのが、母親の残した家という設定の実家。 目の前に小さな川が流れていて、住みたいと思ったほど。 また、家の中も昭和な感じが残っていて、萌え。 NKエージェンシーの建物の玄関の扉や、社長(山崎努)の住む植物に溢れる部屋。 そうそう、忘れてはいけないのが「鶴の湯」。 寒い日は、「鶴の湯」が一番でがんす( ̄m ̄*) ■ユーモア。 「NKエージェント」の意味や、体を拭いていて、ニューハーフということが、発覚したときなど、死というテーマの映画だが、笑いが度々起こった。 印象に残ったシーンは、鶏のから揚げを食べるシーン。 人はみな、「死んだもの」を食べていて、それに関しては無頓着。 人間の「死んだもの」に対してのみ、特別な感情を抱く。 これって変。 鶏のから揚げは、「鶏のご遺体」なのだ。 そういう意味で物を食べる時には心していただきたい。 「おくりびと」は、モントリオール世界映画祭でのグランプリ発表、来年開催されるアカデミー賞外国語映画賞への日本出品作品決定、釜山映画祭での上映など、世界各国で高い評価を得ている。 ■おまけ■ 映画の中で、体を吹き清めるシーンがある。 昔はこの代わりに、タライに湯を入れて、死者の体を清めるという儀式があった。 これを湯かんという。 タライに入れる湯は、逆さ湯。 本来なら、湯をいれ、熱ければ水でうめるのだが、湯かんは、まず水を入れ、湯を足す。 着物を左前に着せることもあるが、このようなことは、逆さごとと言わる。 この他にも、映画を見ながら思ったことで、書きたいことがあるが、それは、またの機会に・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・ ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。 ★10月4日*トリビアの井戸:運動会と綱引き* UP ・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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映画を見た後、鶴の湯のような銭湯に行きたくなりました。でも、高齢化社会のせいか最近では、ああいういつたおれてもおかしくない老人がやっている店とか増えていますね。
(2008.10.05 06:56:28)
七詩さん
近くにあんな銭湯があったらいいですよね。 経営が大変だと思うのですが、銭湯って公的なものなので、もっと自治体が負担すればいいのにといつも思っています。 (2008.10.05 12:49:24) |
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