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2009.06.26
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カテゴリ:父の麦わら帽子
春にはサイシンゴ(イタドリ)、夏にはカワニナ、秋にはアケビ、柿、椋など子どもの頃の私たちは、オヤツはすべて自分で野や山に行って調達していた。
今の時期は、グミがあった。
私が中学2年まで暮らした、岡山では、グミのことをグイビと言った。

うちにも、グイビの木が植えてあり、この頃になると赤く色づく。
しかし、赤くなるまで待てなかった。
待っていると、きょうだいにとられる。
だから、赤くなる少し手前のだいだい色になると採って食べた。
もちろん、甘いはずもなく、ただ渋くて酸っぱいだけだった。
隣村の電球などを売っている家が街道沿いにあった。
その家には大きなグイビが鈴なりになっていた。
しかも、誰もとらないのか、真っ赤に熟していた。

私は不思議に思って父に言った。
「**の家のグイビは、あんなに真っ赤になっているのは、なんで?」
父は笑いながら言った。
「あの家は、分限者(ぶげんしゃ=金持ち)じゃからグイビより美味いもんがあるんじゃ。」

うちは貧乏だから、グイビを選んで食べるのではなく、グイビしかないのだ・・・父は言った。
しかし、私たちは、豊かな自然の恵みに感謝していたし、父や母との暮らしになんの不足もなかった。

先日、散歩の途中で、鈴なりになったグミの実を見つけ、ひとつ口に入れた。
貧乏だったけれど心豊かだったあの頃を思いだした。
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◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★6月26日*父の麦わら帽子:目次*
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Last updated  2009.06.27 10:05:10
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maki5417@ Re:「光る君へ」定子&清少納言「香炉峰の雪」(04/22) 香炉峰の雪 雪のいと高う降りたるを、例…
天地 はるな@ Re[1]:大河ドラマ「光る君へ」と百人一首(03/04) maki5417さんへ 「源氏物語の女君」私も…

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