2010/09/28(火)20:31
昔語り:川の流れのように・・・。
母、A子は、大正11年1月15日、岡山県を流れる吉井川の下流の町、Oに生を受けた。
戦後間もなく、父、H男と結婚し、吉井川の支流の村、Hに暮らした。
父の母親の里が吉井川の上流、江見というのは、なにか不思議な、えにしを感じる。
娘時代は、8人きょうだいの末っ子として、大切に育てられた母は、家事を母親や兄嫁にまかせ、好きな歌や踊りで陽気に暮らしたそうだ。
嫁してからも、のど自慢大会に出たり、踊りに行ったり、コーラスグループに入ったりと変わることはなかった。
その陽気で楽天的な性格が貧しかった暮らしをどれほど救ったか・・・。
その母が亡くなったのは、私と妹がヨーロッパから帰って、3日後の9月19日の夜8時35分。
その日の数時間前、私は、病院に入院している母を見舞ったところだった。
親不孝な娘たちを最後まで見捨てずに待っていてくれたような死だった。
川の流れに沿うように行き、暮らし、そして死んだ母。
戒名はなく、葬儀は、家族葬でひっそりと、しかし賑やかに行われた。
88歳だった。
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◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★2010年9月7日*父の麦わら帽子:目次*
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