2012/04/25(水)21:24
おしゃれ手紙42:「お食事会」でプッツン
■天地 はるな様■
すっかり春になりましたねー。
コブシに続いてヤマザクラが咲いたかと思いきや、山すそには鮮やかなヤマブキの花。
野には可憐なスミレの花と、山里が織りなす春の色にうっとり。
畑の野菜やハーブも日毎に大きくなり、鍬を持つ包丁を持つ手に力が入るこの頃。
畑を耕すようになってから、新たにいろんな社会問題が見えてきたし「食」への思い、そして価値観も随分と変わってきました。
そんな私に、先日「お食事会」のお誘いが。
ひとつは、とあるオーガニックレストランのレセプションパーティ。
そして、もうひとつは友人の結婚式の二次会。
こんなあらたまった「お食事」なんて、めちゃ、おひさなもんだから、たまには、おしゃれをしないとねーと思いつつ結局いつもと変わらぬ格好で出かける始末。
「美味しかった?」って!?
そうですねー。
言わせていただくなら、後味が悪かったのは確かです。
それもそのはず、どちらともバイキングスタイルだったのですが、あたりを見渡せば
料理を残すわ、次から次へと何枚もお皿を使うわ。
友人の二次会ならまだしも、あえてオーガニックをという人がなんで?
お金さえ払ったら、自分さえよかったら、そんなんどーでもええのん?
あー、怒ったらあかんあかん、せやけど、こんなん黙って見てられへん。
こうなれば、あとは時間の問題、私の怒りモードは、ついに限度を越え・・・。
「!」
非常に合理的なパフォーマンスを思いついた私。
周囲の人が注目する中、オーガニックレストランではメインテーブルに残された骨付きのローストチキンと鯛の頭を
二次会では、取り皿に残された盛られただけの料理をかき集めて持って帰ってきました。
が、友人だらけの華やかな二次会では、いくらおひらきになったからといっても
スーパーの袋を引っ提げてテーブルを回る私を見て、誰も何も言わないワケがない。
「えーっ、何してんの?」と嘲笑を浮かべながらの友人たちの質問に
「食べんねん」と答えた後の彼女達の唖然とした表情といったら!
しかし、残すのがへっちゃらで、持って帰るのはダサいという、風潮はいつ、どこからやってきたんでしょうね。
さて、その残り物の行き先は・・・。
ローストチキンはバラした後、もらい物の筍と一緒に炊き込み御飯に、
二次会の残り物は、わんちゃん達のご馳走に。
本来捨てられるはずの食べ物を、犬達がしっぽをふりふり喜んで食べている姿を見ていると、
今をときめくごみの問題、食糧の問題、ペットの問題と日本がかかえる問題の深刻さ、複雑さを垣間見たような気が
しました。
見せかけの便利さと豊かさを手にしたかわりに、
理性、品性、知性、感性を失いつつある私たち。
そんな問題をじぶんなりに考えつつ、畑を耕したり畑に耕される日々。
「まかね種は生えぬ」もんなー。
浜辺 遥
■おしゃれ手紙目次■
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◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★2012年4月23日*サルビア歳時記:4月の季語 / 「リボンの騎士」再登場*
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