2012/06/02(土)21:28
山猫★L・ヴィスコンティ
■山猫:あらすじ■♪音が出ます!
シチリアの大地に最後の輝きを放つ、貴族社会の壮麗なる落日
1860年春、統一戦争下のイタリア。
腐敗した貴族支配からの解放を目指す統一運動の波は、ここシチリア島にも押し寄せる。
そのシチリアを300年の長きに渡って統治してきたのは“山猫”の紋章を持つ名門貴族サリーナ公爵家だった。
自らの終焉を感じながらも、これまで通り優雅に振る舞う公爵。
一方、彼が目をかけていた甥のタンクレディは革命軍に参加し、機敏に立ち回る。
ある日、片目を負傷し休暇の出たタンクレディは、避暑に向かうサリーナ公爵一家と合流、やがてそこで新興ブルジョワジーの娘アンジェリカと出会い恋に落ちるのだった。
去年、見ようと行った映画館が満員で見ることが出来ず泣く泣く帰ったので今回はリベンジ!!
2009年に■「副王家の一族」■というのを見た。
19世紀半ばのシチリアの滅びゆく貴族社会を描いたものでよく似ているが
「山猫」はその50年近く前に製作されたもの。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の代表作。
映像の美しさはもちろんだが、心に残るセリフが多かった。
原作者もイタリア貴族の末裔で自分の体験をもとにしたフィクションだそうだ。
去年見た■「ベニスに死す」■もヴィスコンティの作品で映像が美しかったけれど、「山猫」は華麗な映画だった。
それもそのはず、本人もイタリア・ミラノの名門ヴィスコンティ家出身の伯爵。
裕福な家庭に生まれ、幼少の頃より芸術に親しむ。
その出自にもかかわらず、イタリア共産党に入党する(後、脱党)。
30歳よりジャン・ルノワール(印象派の画家、ルノアールの息子)のアシスタントとして映画製作に携わるようになる。
彼をルノワールに紹介した人物はココ・シャネルであった。
彼の本物志向はすごいらしくて、衣装など小道具も、可能な限り当時の製法で復元された。
また舞踏会のシーンでは、エキストラの1/3が本物のシチリアの貴族の末裔だそうだ。
ところで、映画の中では、バート・ランカスターやアラン・ドロンというイタリア語を母国語としない人が主役、準主役となっているが、吹き替えなのだろうか?
本人がやっているとしたらスゴイ!!
この映画は、日本公開が1964年。
ヴィスコンティは、映画の黄金期に活躍した幸せな監督だと思う。
■午前十時の映画祭2★青の50本 ■
「山猫」は「ミツバチのささやき」の代わりに上映された。
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◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★2012年5月30日*降らいでも曇るお不動さん/「純情きらり」と「私の昭和」:誕生日/ ごみゼロの日:もろぶた
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