2015/09/17(木)23:18
ボタニカル・ライフ:サボテン倒壊
(略)二本あった親サボテンの一方が倒壊したのであった。
(略)とりあえず、まだ生きているから根本を切断する気にもなれず、鉢のふちに体をよりそうようもたせ掛けている
そいつを俺はピサと名付けて見張ることにした。
これまで名前などなかったのである。
それが死にかけで初めて名付けられたとなれば、ほとんど戒名みたいなものであった。
ピザ居士(こじ)・・・。
なんだか決まらない。(略)
こんなことを言ったら愛好家に怒られるかもしれないが
私は、サボテンの良さがわからない。
普通、花が美しいとか日陰でも咲くとか、実がなるとか、植える人はそんな思いで植えるのに、なんでサボテンなん???
まあ、人の好みは好き好きで、私は雑草といわれるツユクサやドクダミが大好きなのだから・・・。
とはいえ、これまでも、これからも、私は育てないだろうな、サボテン。
それにしても「ピザ居士」って!!
■ボタニカル・ライフ■
庭のない都会暮らしを選び、ベランダで花を育てる「ベランダー」。
そのとりあえずの掟は…隣のベランダに土を掃き出すなかれ、隙間家具より隙間鉢、水さえやっときゃなんとかなる、狭さは知恵の泉なり…。
ある日ふと植物の暮らしにハマッた著者の、いい加減なような熱心なような、「ガーデナー」とはひと味違う、愛と屈折に満ちた「植物生活」の全記録。
第15回講談社エッセイ賞。
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