テーマ:■雑学王■(671)
カテゴリ:トリビア
冬はつとめて。 雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。 (現代語訳) 冬は早朝(が良い)。 雪が降った朝は言うまでもなく、(降りた)霜がとても白いときも、またそうでなくてもとても寒いときに、火などを急いでおこして、(部屋の炭びつまで)炭を運んでいくのも、たいそう(冬の朝に)ふさわしい。 昼になって、生暖かく(寒さが)だんだんとやわらいでいくと、火桶に入った炭火も白い灰が多くなっているのは(見た目が)よくない。 「枕草子」の冬はつとめての「つとめて」とはなにか? もちろん、早朝というのは、学校で習った。 しかし、早朝といわずに、なぜ「つとめて」というのか。 ■その答え■があったので書いておく。 「つとめて」の「つと」の意味が下のとおり。 1 ずっと以前から。早くから。「彼は夙にその名を世に知られていた」 2 朝早く。 「冬はつとめて」の「つとめて」は、「つと」からきたようだ。 私は、「冬は遅めに」・・・起きる。_| ̄|○ 今日は、節分。春は名のみの風の寒さよ。 テレビでは、青いジャケットで漫才をする、昭和をまとった漫才師■銀シャリが■青いジャケットならぬ、青いダウンを着て寒そうに街歩きをしていた。 ところで、■「枕草子」の名前の由来■がここにかいてある。 内大臣伊周が妹中宮定子と一条天皇に当時まだ高価だった料紙を献上した時、「帝の方は『史記』を書写されたが、こちらは何を書こうか」という定子の下問を受けた清少納言が、 「枕にこそは侍らめ」(三巻本系による、なお能因本欠本は「枕にこそはし侍らめ」、能因本完本は「これ給いて枕にし侍らばや」、堺本と前田本には該当記事なし)と即答したので、 「ではおまえに与えよう」とそのまま紙を下賜された…と記されている。 「枕草子」の名もそこから来るというのが通説であるが、では肝心の枕とは何を意味するのかについては、古来より研究者の間で論争が続き、いまだに解決を見ない。 枕の意味について8種類の説を紹介したが、そのうちの代表的な説を以下に述べる。 1.備忘録説:備忘録として枕元にも置くべき草子という意味(顕昭所引教長卿註で説かれたのをはじめ、近世の契沖・村田春海らに継承され明治まで広く支持された説) 2.題詞説:歌枕・名辞を羅列した章段が多いため(「枕」を「枕詞」「歌枕」などの「枕」と同じく見て、内容によって書名を推量した説で、『磐斎抄』『春曙抄』などに見える) 3.秘蔵本説:枕の如く人に見すまじき秘蔵の草子(関根正直説) 4.寝具説:「しき(史記→敷布団)たへの枕」という詞を踏まえた洒落。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ < お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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