テーマ:俳句(532)
カテゴリ:詩歌・名文
杉田 久女(ひさじょ) 『杉田久女句集』(昭27)所収。 大正時代は虚子門下に女流俳人が輩出したが、久女の情熱的で大胆な作風はひときわ目立った。 美貌をうたわれたが実生活では悲劇の人で、句集も没後七周忌に初刊行。 花衣は花見の衣装。 花見帰りの軽い疲れに体をほてらした女が、 一本一本着物を紐をほどき捨てていきながら、あらためて紐の多さにわれと驚いている風だが、そこにこそ女の知る愉悦も快感もあったし、またみずから桜となって花びらを散らす思いもあった。 なんともはんなりした句だろうとうっとりしてしまう。 こんな句が作れたらいいなと熱心に 「プレバト」で夏井先生の俳句の評を見ている私は思う。 この句を見ながら思ったのは、■細雪■。 「細雪」では、次女、三女、四女の三姉妹と、次女の夫、娘が花見に行く。 行先は京都で、必ず一泊。 次女と夫はもう一泊することもある。 もちろん、姉妹と次女の娘は着物で行くのである。 今でいうところの、「インスタばえ」する美しい彼女たちは、何度も知らない人からカメラを向けられる。 「花衣ぬぐやまつわる紐いろいろ」は、京都であちこち回って高揚した気持ちで着物を脱ぐ「細雪」の姉妹を思い浮かべる俳句だ。 さあ、私も桜を見に行こう。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.04.02 00:13:02
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