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カテゴリ:読書
74歳、ひとり暮らしの桃子さん。 夫に死なれ、子どもとは疎遠。 新たな「老いの境地」を描いた感動作! 圧倒的自由!賑やかな孤独! 第158回芥川賞受賞作! 63歳・史上最年長受賞、渾身のデビュー作! 第54回文藝賞受賞作。 文藝賞全選考委員絶賛! ★「東京オリンピックの年に上京し、二人の子どもを産み育て、主婦として家族のために生き、夫を送って「おひとりさまの老後」を迎えた桃子さんは、戦後の日本女性を凝縮した存在だ。 桃子さんは私のことだ、私の母のことだ、明日の私の姿だ、と感じる人が大勢いるはず」――斎藤美奈子氏 ★「宮澤賢治「永訣の朝」にある「Ora Orade Shitori egumo」のフレーズ。 それを悲しみのうちに死ぬの意ではなく、独り生きていく「自由」と「意欲」に結びつけた。 「老い」をエネルギーとして生きるための、新しい文学が生み出された」――藤沢周氏 ★「人の気持ちは一色ではないということを、若竹さんはよくぞ?んだ。 年を経たからこその、若々しい小説」――保坂和志氏 ★「取り返しのつかない命のなかで、個人の自由や自立と、その反対側にある重くて辛いものも含めた両方を受け取って、人生を肯定的にとらえるまでにいたったのが見事」――町田康氏 タイトルの「おらおらでひとりいぐも」を聞いて、宮沢賢治の■永訣の朝■が思い浮かんだ。 ■私の大好きな詩■宮沢賢治の妹のことを書いた小説だろうと思っていたが、大間違い。 夫を亡くした、(それも最愛の)妻の寂しさを描いた作品だった。 しかし、寂しいだけではなく、底抜けの自由を手に入れた喜びがにじみ出ていた。 ***もう誰からも奪うことがない。 奪われることもない。 風に吹かれて、行きたいところに行く。 休みたいところに休む。 もう自由だ、自由なんだ。*** ほんとはね、ほんとは「独りがいい」。 出会いも歓びだが、死別も解放だ。 地声で語られた女のホンネが炸裂!(上野千鶴子氏) そして思ったのだ。 うちの次女は、一人暮らし。 結婚もせず、ひとりで暮らす彼女を可哀そうと思っていたが、娘は孤独と引き換えに、誰にも邪魔されることのない自由を手に入れている。 少しレトロな感じのする冷蔵庫や、壁に飾った写真などから彼女の部屋のインテリアは、一人暮らしならではの自由を物語っている。 主人公、桃子さんは、考え方があちこち散らばり飛ぶ。 そんな時、桃子さんは考える。 それは、女だからと・・・。 女の仕事はひとつではないと・・・。 ずいぶん古い用例でねが。と別の声。 ほだ。それに女房は機(はた)を織ってるべしたら。 ほでねば。与作と同じ時間だけ機を織っていたとは考えにぐべ。 泣く子に乳を与えながら、 そろそろ姑の汚れた下(しも)を取り替えねばと考えつつ、 晩のお菜はなんにすべなどと考えていたことは想像に難くねのす。 常にあれもし、これもすることを求められれば、つい考えは飛び飛びになるべしたら。*** 青春小説の対極、玄冬(げんとう)小説の誕生! *玄冬小説とは・・・歳をとるのも悪くない、と思える小説のこと。 ■おらおらでひとりいぐも■ 【著者情報】(「BOOK」データベースより) 若竹千佐子(ワカタケチサコ) 1954年、岩手県遠野市生まれ。岩手大学教育学部卒業。 55歳から小説講座に通いはじめ、8年の時を経て『おらおらでひとりいぐも』を執筆。 2017年、第54回文藝賞を史上最年長となる63歳で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.06.02 00:08:58
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