2018/08/13(月)17:50
断崖絶壁の野外劇場:ミナックシアター
■2018.6.25(月)
一人の女性が、50年もの長い時をかけて完成させたミナックシアター。
そんな劇場があることを、今回初めて知った。
■ミナック・シアター■
この劇場をつくったのは、ロウィーナ・ケイド。
1893年に生まれ、1931年よりミナックシアターに着手。
1983年、90歳でその生涯を閉じるまでの約50年間、
すべての情熱をミナックシアターに捧げていたと言われています。
第一次世界大戦終了後の1920年代。
この地にやって来たロウィーナは、現在のミナックシアターのある場所を100ポンドで購入。
当時の値段で100ポンドは、相当な大金だったんでしょうね。
この人里離れた不便な場所を、なぜ100ポンドもの大金で買い上げたのか。
この地を購入後、彼女は自らの家を建てるのですが、
折りしも、ここウェスト・コーンウォールでは、DIYによる演劇が流行っていました。
そこで彼女は家の庭をシアターに見立てて、1929年『夏の夜の夢』を上演。
洋服作りの技術に長けていた彼女は、出演者のコスチュームも作っているんですよ!
なかなかの人気を博した『夏の夜の夢』は、1930年にも上演。
(▲「テンペスト」1932と彫っている。)
その後、『テンペスト』上演の依頼を受けたことをきっかけに、
より本格的なシアターを意識するようになります。
(▲スタッフや俳優の通り道。こわっ!!)
『テンペスト』初上演は1932年。
厳しい冬のおかげで、十分な設備をそろえるまでには至らなかったようです。
何しろ照明は、車のヘッドライト。
シートもありません。
しかし、簡易の舞台を、役者たちを照らす夜空の月、そして眼前に広がる海。
これよりも素晴らしいシアターは、どこにあるというのでしょう!
当時のお芝居を観ていないけど、観客たちは大きな感動に包まれたといいます。
ミナックシアターの「ミナック」は、コーンウォールの言葉で「岩場」を表します。
この辺りは断崖絶壁の崖や岩場が多く、砂浜はほんの一部。
Rosalie Guest House
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