テーマ:読書(8205)
カテゴリ:読書
名料理屋「一柳」の主・柳吾から求婚された芳。 悲しい出来事が続いた「つる家」にとってそれは、漸く訪れた幸せの兆しだった。 しかし芳は、なかなか承諾の返事を出来ずにいた。 どうやら一人息子の佐兵衛の許しを得てからと、気持ちを固めているらしい―。 一方で澪も、幼馴染みのあさひ太夫こと野江の身請けについて、また料理人としての自らの行く末について、懊悩する日々を送っていた…。 いよいよ佳境を迎える「みをつくし料理帖」シリーズ。 幸せの種を蒔く、第九弾。 *神帰月―味わい焼き蒲鉾……文化13年11月の話 *美雪晴れ―立春大吉もち……同年12月~文化14年1月の話 *華燭―宝尽くし……同年1月~2月の話 *ひと筋の道―昔ながら……同年2月の話 富士日和 (特別収録)……同年2月の話 ●読書メモ● ●♪寒紅ぃ(かんべに)、寒中の丑紅ぃ 唇の荒れに、丑の日の寒紅ぃ ◎寒紅売りの声。 ■寒中に製した紅。■ 特に、寒中の丑うしの日に買い、あるいはつけたものは丑紅ともいわれ、子供の疱瘡ほうそうなどによくきくといわれた。 [季] 冬。 ベニバナは全国的に栽培されていたが,収量が少なく〈紅1匁,金一匁〉といわれたほど高価だった。 特に良質の紅は,冬のいちばん寒い寒(かん)のうちの深夜,それも丑の刻につくったものが色も変わらず品質も優れていたので,寒紅(かんべに)とか丑紅(うしべに)とよばれて珍重されていた。 紅は皿や猪口(ちよこ)や小筥(こばこ),板などに塗りかさねて市販された。 ●銀杏は、肺を温め、咳を鎮め、また頻尿を防ぐが、食べ過ぎると毒。 ◎■ぎんなん中毒による症状は、主に嘔吐と痙攣だそうです。 ほかにも顔面蒼白だったり、呼吸困難、めまいや意識混濁、便秘、発熱なども起こるそうです。■ ●「一年中のご調法、ご調法」と、老いた暦売りが・・・(略)。 ◎暦売は京坂では〈大小柱暦巻暦〉,江戸では〈来年の大小柱暦とじ暦〉,閏(うるう)月のある暦を売るときはそれに続けて,〈閏あって十三ヶ月の御調法〉と言った。 ●これをあてに酒が飲める。 ◎店主、種市は、江戸の人。 酒の肴を「あて」と言うのはおかしいのでは? ●卵の白身だけでも売れる。 蝋燭の流れたのだろうが、抜け落ちた髪の毛だろうが、大抵のものは売り手も買い手もつくもんだ。 ◎恐るべし、江戸のエコ社会!! ●嘉兵衛のような、あるいは柳吾のような料理人にはなれない。 後世に名を残すこともない。 それで良い、否、それでこそ良い。 (略)料理人として、食べるひとを健やかにする料理こそ作り続けたい。 ◎この澪の思いは■民藝■の心だ。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.07.12 00:22:27
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