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おしゃれ手紙

2019.11.13
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テーマ:読書(3193)
カテゴリ:読書
■続氷点(下)■

心晴れぬまま大学生となった陽子は、ある日キャンパスで実母・恵子の次男・達哉と出会う。
達哉は異父姉と知らぬまま、以後、陽子に直情的に近づいてくる。
それをきっかけに、陽子を中心とした複雑な人間関係が白日のもとにさらされ、それぞれの罪と秘密が明らかになっていく。
そして陽子が恵子と顔を合わせる日がやってくる――。
人間の愛と罪と赦しをテーマに繰り広げられた壮大なストーリー、いよいよ感動の結末。

■読書メモ■
●この大学に、父の啓造も、徹も、北原も高木も学んだ。
茅ケ崎の祖父もここの医学部の内科の教授だった。
いまその大学に自分も入ったのだ。

◎「この大学」とは、北海道大学。
北海道大学は、今も名門だが、50年以上前は、もっと名門だっただろう。
NHK朝ドラ「なつぞら」では、主人公の義理の女きょうだいが入学するというので新聞に載った。

その北海道大学に、入学し、周りに多くの北大出身者がいることは、いろんな意味で恵まれていることをあらわしている。
(陽子の亡くなった実父も北大出身者だった。)

●「黒百合会」は伝統ある美術サークルで北大構内に多い黒百合から名をとったらしい。

◎北海道旅行の際、黒百合のある場所を案内してもらった。
●「ねえ、北原さん。
結婚のために故郷を離れる娘さんはいても、女の人のいる街に、男の人が移ることは、あまりないでしょうね」
「そりゃあそうでしょうね」
「それだけでも、結婚の大変さは、男の人より女の人にあるような気がするわ」
「なるほど、そうだろうなあ。
女の人が結婚のために、住み慣れた街や、親きょうだいや、友人と別れて来るというのは、これは大変なことだろうなあ。
問題は、その事実を男がどのように受けとめて、思いやれるかということでしょうね」

◎捨てるのは、街や親きょうだい、友人だけにあらず。
生まれてから慣れ親しんだ、自分の名前まで変わる。
●「ほうたいを巻いてやれないのなら、他人の傷にふれてはならぬ」

●運転台から、藤色のレースのスーツを巧みに着こなし、同色のバッグを持った女性がすらりと降り立った。
(略)
黒字の明石に、若葉色の絽の帯をしめながら、・・・(略)

◎藤色のスーツが陽子の産みの母、恵子、
黒字の明石の着物を着たのは、育ての母、夏枝。

50年以上前の女性のよそゆきがしのばれる。
●受話器をおいた夏枝は、三人分のバナナを用意して、応接室に戻った。

◎初対面の大事な客に、バナナ・・・。
当時のバナナの置かれた位置が分かる。

この作品は、今から50年以上前のもので、現在と比べるとその大きな違いに、感慨深い。
たとえは、文中、男性は、すぐタバコを吸う。

夏は浴衣を部屋着としていた。
コーヒーには、角砂糖・・・。
●細やかな葉が重なり合う楓を啓造は見あげた。
笹の葉といい、この楓といい、肌理(きめ)が細やかで、気持ちがやさしくなる。
荒々しい自然や、あの寒さの中で育った北海道人は、幾代か後には、この関西に育つ人間とは違った人種に変わって行くように、啓造には思われた。

◎風土が人間を作るというから、これは正しいかも知れない。
50年前は、今より北海道と関西の差は大きかったのだろう。
啓造は、京都が好きになった。
●(略・・・禅の思想は)ただ、木一本、石一つでも、それがあるべくしてあり、これは欠けてもよいというものが、ひとつもないということがわかった。
そしてそれらが、お互いに影響し合い、役立ち、調和している。
つまり、木一本、石一つ、すべてに存在の意義があり、使命があることだけは、啓造なりにわかったような気がした。

啓造は、自分をとりまく一人一人を思い浮かべた。
夏枝、徹、陽子、高木、村井、辰子、由香子、順子、佐石、三井恵子、北原・・・。
その中には、佐石や村井など、啓造の人生にとって現れてほしくなかった人間もある。
彼らがいなければ、陽子も順子も恵子も、自分の前に現れなかったろう。

◎「氷点」を読んで半世紀以上、「続氷点」には手を付けなかった。
あまりに「氷点」の印象が強かったから・・・。
北海道を18日間旅行し、旭川にも行って読む気になった。
作者の人生にも触れたし、いろんな意味で「氷点」が完結した。
音符主題歌:氷点
悲しい 悲しい 考えつめての
心の底に冷たくとけずに
生まれたときからあったのは
氷河のような氷点よ
どんなにどんなにやっても陽子の力では
とかしきれない悲しい悲しい氷点よ
氷点(上)
氷点(下)
続氷点(上)

旭川「氷点」の舞台を行く。
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Last updated  2019.11.13 01:51:52
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