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2020.01.04
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テーマ:読書(8205)
カテゴリ:読書
■田辺聖子の小倉百人一首(続)■

古くから日本人に愛された望郷歌、若々しい匂いやかな恋歌、機才・頓智が人気の歌、四季の風趣を愛で静かな情感をたたえた歌ーー。
王朝びとの風流と和歌のみやびを心ゆくまで堪能できる百人一首。
私たち、現代人にも通じる感懐をうまくすくいあげ、千年を歌い継がれてきた魅力の本質を、ユーモラスに、そしてユニークに抽出した、楽しい百人一首入門。
岡田嘉夫の斬新なイラストが美しい、一大歌絵巻、保存版!

 高校時代の古典の副読本を手元に置いて、(しかも2冊)時々、読んでいるので、
「百人一首」は、よく知っているつもりだった。
しかし、知らないことだらけだった。
改めて、田辺聖子の知識のすごさに感心した。
■田辺聖子の小倉百人一首(続)■を読んで、知ったことを★箇条書きに。
★三船の才
ある時、藤原道長が大堰川で遊んだとき、漢詩の船、音楽の船、和歌の船と分けて、それぞれの道にすぐれた人を乗せた。
大納言公任(だいなごんきんとう)は、どれにもすぐれていたので、道長は
「どの船にお乗りになられるか」と聞いたという。
そう聞かれるだけでも身の栄誉であろう。
公任は、
「では、和歌の船にしますかな」といってそこで歌を詠んだ。

みんなが褒めると、
「いや~、漢詩の船にすればよかった、そしてこのくらいの詩を作っていれば、名声がいっそう上がったろうに。
惜しいことをした」と言ったという。

また、紫式部の勤める御殿で
「このあたりに若紫はいらっしゃいませんか」と声をかけられたと
紫式部が日記に書いている。
「あんたの小説、読ませてもらってまっせ」的なおべっかの匂う言い方だ。
紫式部は、
「光源氏の君もいないのに、紫の上がいるわけがないじゃないの」と思ったという。

●55番  滝の音は たえて久しくなりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
       大納言公任(だいなごん きんとう)

●71番  夕されば 門田(かどた)の稲葉おとづれて 蘆のまろ屋に 秋風ぞ吹く
       大納言経信(だいなごんつねのぶ)

この人も、「三船の才」と言われた。
船が岸を離れてから、やってきて、
「どの船に乗りますか」と聞かれたいがために、船の時間に遅れてきたと皮肉っている。
★「源氏物語」の影響。

●78番 淡路島 かよふ千鳥の なく声に 幾夜寝ざめぬ 須磨の関守
  源野兼昌(みなもとのかねまさ)

「源氏物語 須磨の巻」で光源氏は口ずさむ。
「友千鳥 もろ声に鳴く 暁は ひとり寝ざめの 床もたのしも」

群れをなして飛ぶ千鳥が、声を合わせて鳴く。
それを聞けば、夜あけひとり目覚めた私も心丈夫に思われる。

兼昌は、こういう背景を得て、「淡路島」の歌を作ったのであろう。

●64番 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木(あじろぎ)     権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより)

この歌はたぶん「源氏物語」の宇治十帖の世界を暗示しているのであろう。
この人の父親は、55番の公任で、
「このあたりに若紫はいらっしゃいませんか」と声をかけた人。
ならば、子どもの定頼も「源氏物語」を読んでいたはずだ。
藤原定家の父
●83番  世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る  山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
      皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐうだいぶしゅんぜい)

定家は、父の歌の中から、これを選んだ。
定家の父は、王朝末期歌壇の大御所。
定家、寂蓮(じゃくれん)、良経(よしつね)、式子内親王といった新古今調の旗手たちを指導育成した。

★歌の順番

●1番 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ 
      天智天皇
●2番 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
        持統天皇

●99番  人も惜し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
        後鳥羽院
●100番 ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
         順徳院

1番と2番、99番と100番は、共に親子。
意味はここ

田辺聖子の小倉百人一首(上)
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Last updated  2020.01.04 00:03:24
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七詩@ Re:「光る君へ」定子&清少納言「香炉峰の雪」(04/22) 定子の母は漢詩の名手で伊周も学才に優れ…
maki5417@ Re:「光る君へ」定子&清少納言「香炉峰の雪」(04/22) 香炉峰の雪 雪のいと高う降りたるを、例…
天地 はるな@ Re[1]:大河ドラマ「光る君へ」と百人一首(03/04) maki5417さんへ 「源氏物語の女君」私も…

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