2021/08/02(月)09:11
うし年ですから:藤原定家の牛の歌
行きなやむ牛のあゆみにたつ塵(ちり)の
風さえあつき夏の小車(おぐるま) 藤原定家
「玉葉集」夏歌。
牛車、つまり牛にひかせる乗用の屋形車だろうか。
炎天にあえぎ、人はもちろん牛までものろのろ歩む。
その足元から乾いた塵ほこりが舞いたつ。
風がたてば涼しいはずなのに、塵をまきあげる炎天の風はかえって暑くるしさを増す。
抜群の耽美的作風の歌人定家に、この印象的な作があるおもしろさ。
「むしますなぁ」
「どこぞ涼しい川べりにでも」。
古都の夏は王朝の余映の時代にもやはり暑かったのだ。
「折々のうた」より
京都市は三方を山に囲まれる盆地で、昔も今も夏は蒸し暑い。
一節によると、夏に鴨川で涼む習慣は平安時代からあったといわれる。
平安時代、■貴船神社■に参拝のため京都市内から貴族が来ていたという。
もちろん、一番の目的は、貴船川の涼を求めてだ。
ちなみに「涼」という字は、京の横にさんずい(水)!
涼しいわけだ。
■折々のうた■
過ぎてゆく四季の折々に自然の輝きをとらえ、愛する人を想いながら、人びとはその心を凝縮された表現にこめてうたい続けてきた。
「日本詩歌の常識づくり」を目ざす著者は、俳句・短歌から漢詩・現代詩に至るまで、日本人の心のふるさとともいうべき言葉の宝庫から秀作を選び、その豊かな光沢と香りを鑑賞する。
朝日新聞連載一年分に加筆。
■折々のうた・あとがきより■
『折々のうた』で私が企てているものは「日本詩歌の常識」づくり。
和歌も漢詩も、ひっくりめてわれわれの詩、万人に開かれた言葉の宝庫。
この常識を、わけても若い人々に語りたい。
■YouTube 和宮様御泊■の1時間半くらいのところに、和宮が牛車に乗って東下りする様子が描かれている。
後半は、輿。
■うし年ですから:なで牛■
■1月5日は「牛日(ぎゅうじつ)」■
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■「牛鍋からすき焼へ」■
■仔牛の俳句■
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■こって牛■
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