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2021.09.20
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テーマ:短歌(1693)
カテゴリ:詩歌・名文
おいとまをいただきますと戸をしめて
出てゆくやうにゆかぬなり生は
 
斎藤史『ひたくれなゐ』(1976)
『ひたくれなゐ』は斎藤史の第八歌集。
昭和42年から50年までの歌で、失明のすすむ母と脳血栓に倒れた夫の介護に追われる日々のなかまとめられた歌集だ。
藤 史(齋藤史、さいとう ふみ、
1909年(明治42年)2月14日 - 2002年(平成14年)4月26日)は、日本の歌人。
東京都四谷生まれ。福岡県立小倉高等女学校(現・福岡県立小倉西高等学校)卒業。
父は、陸軍少将で佐佐木信綱主宰の歌誌「心の花」所属の歌人でもあった齋藤瀏。
父の瀏は「史子」と出生届を提出したが戸籍係が間違えて「史」と登録してしまった。
17歳のとき若山牧水に勧められて作歌をはじめ、18歳から「心の花」に作品を発表するようになる。
 この歌は、歌集の最後の方にある一首。
自分で時期を選んでいろいろと準備してさあこれで終わりますという人生の終わり方、死に方はできない。
当たり前のことを詠んでいながら心に残る一首だ。

上の句の台詞の部分がいい。
「おいとまをいただきます」という台詞は現代ではあまり使われなくなった言葉だろう。
その場から立ち去る時に使う柔らかな日本語で、立ち去り方の美しさというものを感じさせる。
そんな風に美しく、誰にも迷惑をかけずにこの世を去れたらいい。
病を持つ二人の家族の世話をしながら、斎藤史は同時に、自分の最期というものを常に考えていたのだろう。

 「いつまで元気でいられるのだろう?」
70歳を過ぎてよく思う。
母が脳梗塞で倒れたのが75歳の時。
その後、10年以上生きたけれど、楽しい人生だったのだろうかと思う。

死ぬのは、本当に怖くはない。
だから、冒頭の短歌のように、「はい、これまで」と人生のシャッターを降ろすことが出来たらと思っている。

そんなことを思うのは、きっと私が老人だから。
今日、9月20日は、老人の日。

ひたくれない■直紅
全体に紅色であること。また、そのさま。
斎藤史のことば
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Last updated  2021.09.21 09:14:39
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