2024/03/14(木)00:15
ゴールデンカムイ★クセ強め
■ゴールデンカムイ■
猛き者達よ、奪い合え
“不死身の杉元”の異名を持つ杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく北海道で砂金採りに明け暮れていた。
ある日、彼はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。
金塊を奪った男“のっぺら坊”は捕まる直前に金塊を隠し、その在処を示す刺青を24人の囚人の身体に彫り脱獄させていた。
そんな時、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元をアイヌの少女アシリパが救う。
金塊を奪った男に父親を殺されていたアシリパも仇を討ちたいと杉元と共に金塊を追う。
「ゴールデンカムイ」の原作は、漫画だというのを、映画の予告編ではじめて知った。
TVでもアニメで2018年に放送されていたことも、今回はじめて知った。
いやー、惜しい事をした。
テレビアニメ見たかったと悔しがる私。
それほど、本作が気に入った。
知るのが遅くなったのを取り返すように家に帰ってから調べまくった。
主人公、杉元佐一は、日露戦争で華々しく闘うのだが、軍服が紺でマフラーがチェックとカッコいい。
私の祖父は、明治9年生まれで、日露戦争に行っているが、その集合写真には、カーキ色のようにうつっている。(カラーではないから言い切れないが)
太平洋戦争の時の兵隊の服もカーキ色が多いのではと思うのだが・・・。
あと、もう一つ疑問がある。
ロシアから帰った岸元が、幼馴染の家を訪問するシーン。
農家の軒先に、足踏み脱穀機があった。
私の記憶が正しければ、足踏み脱穀機の出現は、大正時代。
明治30年代の時代設定には、ちょっと違うんではないか・・・。
といつも小道具を見て時代設定を確認する癖のある私は「??」だった。
★登場人物★
★杉元佐一(山崎賢人)
日露戦争で目覚ましい武功をあげ、
その闘いぶりから「不死身の杉元」と呼ばれる元陸軍兵。
★アシリパ(山田杏奈)
北の大地を生き抜く知恵と優れた狩猟技術をもつアイヌの少女。
アイヌの埋蔵金を強奪した男に父を殺されている。
★鶴見篤四郎(玉木宏)
陸軍最強と謳われる第七師団の中尉。
北海道征服のために金塊を狙う。
興奮すると戦争で怪我をした脳から「脳汁」が出る。
★土方歳三(舘ひろし)
自らの野望のために金塊を狙う。
元新選組・鬼の副長。
みんなキャラが濃く、クセが強い!!
続編がきっとあるという終わり方だったので早くも期待している。
作者の野田サトルの曽祖父が日露戦争に行った屯田兵というのが、この作品を書くきっかけになったそうだ。
その日露戦争の最大の激戦地となった「203高地(にひゃくさんこうち)」が作品の冒頭に出てきた。
なぜあんなに、木も草も生えていないのだろう。
■金州城下作■ 乃木希典
山川草木轉荒涼
十里風腥新戰場
征馬不前人不語
金州城外立斜陽
■よみかた■
金州城下(きんしゅうじょうか)の作(さく) 乃木希典(のぎまれすけ)
山川草木(さんせんそうもく) 転(うた)た荒涼(こうりょう)
十里(じゅうり)風(かぜ)腥(なまぐさ)し 新戦場(しんせんじょう)
征馬(せいば)前(すす)まず 人(ひと)語(かた)らず
金州城外(きんしゅうじょうがい) 斜陽(しゃよう)に立(た)つ
山も川も草も木も、ひたすら荒れ果てて見る影も無い。
先日戦が行われたこの場所では、十里に渡って風が血なまぐさく感じられる。
軍馬は進まず、将兵たちは押し黙っている。
夕陽が傾く金州城外に、私はただ立ちつくす。
乃木希典の漢詩のとおりの景色だった。
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