テーマ:読書備忘録(1397)
カテゴリ:読書
江戸時代も半ばを過ぎた道頓堀には芝居小屋がひしめき合っていた。 近頃は歌舞伎芝居に押され、往時の勢いはないものの、 「道頓堀には、お人形さんがいてこそ、や」 人形浄瑠璃に魅せられ、人形浄瑠璃のために生きた人々の喜怒哀楽と浮き沈み、せわしなくも愛しい人間模様をいきいきと描く群像時代小説。 史上初の直木賞&高校生直木賞をW受賞した『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』から2年。 直木賞受賞第一作にして、『渦』の待望の続編がついに刊行。 人形浄瑠璃に魅せられた人々のせわしなくも愛しい人間模様をいきいきと描く群像時代小説。 ●目次● ●「水や空や」 ●「種」 ●「浄瑠璃地獄」 ●「月かさね」 ●「縁の糸」 ●「硯」 ★主な人々★ ★松屋平三郎・・・「松へ」 骨董に狂う道楽者の父が沢山の骨とう品を残して死んだ。 酒屋は、やめて父の残した骨董品を扱うことに。 趣味で扇に絵を描いて稼いでいる。 絵の号は、耳風斎(じふうさい) 人形浄瑠璃を語るという旦那芸も玄人並み。 ★大升屋・徳蔵 はじめは、人形浄瑠璃の話を書く近松半二の門人だった。 少ししてから人形浄瑠璃から歌舞伎の作者に変わった。 実家は裕福な置き屋的な家。 祖父は、作家の「雨月物語」の作者上田秋成とも仲が良く、上田秋成が店の離れに暮らしていたこともあった。 そんな縁からか「雨月物語」を歌舞伎に書こうとしている。 ★おきみ 近松半二の娘。 松屋平三郎・・・「松へ」大升屋・徳蔵の幼馴染。 人形浄瑠璃に関しては非凡な才能がある。 父親の死後、体の弱い母親と京都の親戚を頼っていく。 女の物書きはいない中、父親・半二が途中まで書いて残した浄瑠璃を完成させたりするが、表には出ない。 ★近松やなぎ 飾り職人だったが、人形浄瑠璃の本を書く。 その際、おきみの意見を参考にしたり尻を叩かれたりした。 この他にも沢山の歌舞伎や浄瑠璃に関する人々が出てきた。 昔のコテコテの大阪弁が楽しかった。 ★人形浄瑠璃の客を増やすため、毎朝、明け五つまでに小屋に来た者は、木戸銭をタダにするなど工夫をした。 なあ、硯よ、そやったよな。 徳蔵は、布施を墨にひたす。 筆が墨を吸う。 たっぷりと吸う。 墨の匂いがする。 筆の重みを感じる。 あたらしい紙に筆をおとす。 腕をうごかす。文字が生まれる。 これがすべてだ。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.11.04 18:17:45
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