2008年4月22日。
あたしの誕生日であり
命の尊さを知った日。
あたしは、これから毎年
自分の誕生日がくると
命の重さについて考えるだろう。
-君へ-
聞こえていますか?
君は今も笑っていますか?
あたしが見えてますか?
あたしはね、もっと君と話しておけば
よかったと今更後悔してるよ。
君がいなくなるとは思わなかったの。
あまりに急で。
保育園が一緒でマンションが隣で
毎日のように遊んだね。
今でもあたし、しっかり覚えてるよ。
小学校の頃。一度も同じクラスに
ならなかったね。
毎年、おかあさんと「今年は一緒になった?」
そんなねたでいつも君の名前が出てきてたよ。
中学生の頃。中学校2年生で
初めて同じクラスになって
一緒にばか騒ぎしたよね。
修学旅行も一緒に行って
かけがえのない時間を過ごしたね。
そして高校1年生の今。
入学式の日、君とクラスが一緒で
本当に嬉しかったの。
入学してから15日。
君はあたしの前から居なくなった。
昨日まで、一緒に笑って昼ご飯を食べていたのに。
昨日まで、あんなに笑ってたのに。
ねえ、どうして?
今日君は学校を休んでたね。
あたし、何とも思わなかったの。
「風邪かな?」ていどにしか。
帰り際、先生に呼ばれて職員室に
行ったら、君が居なくなったこと
知らされて。
信じられなくて
怖くて
立ってられなくて
信じたくなくて
でもね、仕方のないことだと思ったの。
でもね、やりきれないの。
明日、学校行けばまた「おはよー」って
笑顔をくれそうで。
明日また君を抱きしめたら
「なるちゃんのにおいがする~」って
ぎゅってしてくれそうで
また、君とあっちむいてほいが出来そうで。
まだまだ君と同じ空間で過ごせそうで。
でも、もうそれは叶わなくなったね。
出来ることなら、もう一度会いたいよ。
ちゃんと、さよならを言いたいよ。
出来ることならさよならなんて
言いたくないよ。
なんて、こんなにめそめそしてたら
君に怒られちゃうな。
最後の挨拶、行くからね。
手紙を持って行くからね。
4月22日。
何かの運命のイタズラだと思う。
毎年のように君を思い出す。
桜が散って、またあたしが年を重ねるとき
いつも君の笑顔が頭の中に
浮かびますように。
今でも、聞こえるの。
「なるちゃんのにおいがする」