|
カテゴリ:コミック感想
ありえない設定がてんこもりのこのコミック、すっごく好きなんですよね。 これもまた古いコミックなのですが、無理押しごり押しが素直に受け入れられた頃の漫画、という気もします。 全部で4巻なのですが、やはりはじめは人気低迷していたそうですね。それで長くは続けられなかったっぽい。 主人公は高校生の女の子ふたり、忍と理絵。この二人が実は世界的大企業グループの総帥、という設定なんです。もちろん未成年ですよ。今じゃ考えられない設定ですね。 もとは祖父がグループの総帥だったのですが、孫の二人がそれを継いだ、という具合で。 そしてスーパーガールなのでもちろんグループの株価は上がっているし、部下たちの信頼も厚い、という。 現実味なさすぎやろと思うでしょうが、不思議とそんな感覚には陥らないのです。 それっぽい単語が出てくるからってのもありますけどね。日銀もそうですし、株主総会、国税局、公取委などなど…企業がどう成り立っているのかをちゃんとわかっている会話が端々にあるので、いいかげんなこと言ってら感はありません。 旦那様の影響もあるでしょうね。時々出てくるモブのおっさん、旦那様がかいてるなーとわかったりもしますし。 忍は長髪黒髪、理絵はふんわりショートカットで、実はこの二人はいろんな作品に出ています。名前をかえたりしてね。ビジュアルはほぼ一緒。最近だと「クオ・ヴァディス」でも主要キャラとして出ていました。 かなりなじみ深いキャラで、もとは別の話のモブとして登場していたそうなのです。 手塚治虫からの流れなのか、スターシステムみたいなものですね。 物語としては若き総帥の二人が商売敵とたたかってみたり、ちょっとした事件に巻き込まれたりと、アクションもあり、恋愛もあり、という満載感。 女性として戦うんじゃない、ひとりの人間として戦うんだ、みたいな流れではなく、タイトルにある通り「女として戦う」話なんですよ 作中でも忍が言っていますが、男は兜のひもを締めてたたかうけれど、女は紅をひいてたたかう、と。 これに関して、いまじゃわーきゃーいう人が出てきそうですが、わたしはやはり、女が女として戦う、という姿勢がいいなと思うんですよ。 女だからこそ見えてくる視点もあるでしょう。 理絵はとくに体術も極めていてとても強いんですが、ちゃんと女性らしく恋もする。 恋と仕事、どちらも手にいれるんですよ。 パートナーになる男性が忍にも理絵にも表れるんで、やっぱり男がいるんじゃんーっていうのは野暮だと思う。 一緒に戦っていこう、というスタンスなんですよ。 ビジネスパートナーでもあり、愛し合う一対の男女でもある。 女を捨てる必要はないし、かといって男に頼るだけのこともしない。 対等な人間として、けれどちゃんと男女として愛し合い、支えあって、戦っていく、という。 だからはじめ、忍にとってのパートナーは理絵だったし、忍と理絵は一対、静と動、魂の半身とも描かれる。そしてそれは終生変わらないだろう。 わたしはこういう同性同士のつながり、絆があるのってすごく好きなんですよね。 会うことは少なくなるかもしれないけれど、心のつながりは消えない、というのを感じさせる関係がとても好き。 依存関係ではないからこその繋がりなんだなって。 まあかなり無茶な設定ではあるんですが、それをものともせずに描き切った、という少女漫画の枠を超えた内容になっているので、いつの時代に読んでも面白いものだと思います。 なごみキャラとして登場するゴンちゃんも…作者さん好きだなぁと、にっこり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.05.20 22:30:03
コメント(0) | コメントを書く
[コミック感想] カテゴリの最新記事
|