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カテゴリ:コミック感想
古い少女漫画って、もー、かなり設定がむちゃなんですよね、の代表作がこれかなって。 いや、好きな話ではあるんですが。 海外が舞台なので無茶し放題ってところなのかもしれませんが。 青春と恋の物語なんですが、そこに乗馬…障害物のスポーツが絡んできます。そこがおもしろいんですよね。 でもスポーツものではないんですよ、これ。 あくまで主人公たちの「青春」を主軸にしているようです。 主人公はロリィ、登場時は14歳でした。 ところが家が貧しいため勤労少女…妹のカーラはとっても美人な女の子ですが、勝ち気でしっかり者。ところが姉のロリィはドジっ子で…と、まあ、それなりにどこにでもある設定ではあります。 母は病弱で父は早世、というのも苦労話としてはよくあるかな? ところが、ネタバレだけどロリィの母親はおフランスのお金持ちのお嬢様だったんですよ。けれどかけおちしてアメリカへ、という。 このママの話だけでもけっこうなページを割けそうなところですが、メインはあくまでロリィなのでちょっと触れるだけ。 恋のお相手となるのはクレオ。 これまた大富豪の跡取りお坊ちゃんなんですが、はじめは正体を隠していて、その状態でロリィと出会います。 そこから、いじわるなライバル役としてダリアという少女が出てきます。とってもいいキャラなんですが、はじめは「悪役」として登場しちゃうんですよ。ガラスの仮面でいうところの亜弓に近いかな。 そして重要なキャラとしてハッピーと名付けられた白い馬もいます。 この馬との出会いがロリィを乗馬の道へ進ませるんですよね。 このハッピーが心の声でしゃべったりするのは…まぁ、ご愛敬。 わたしはこういうのあまり好きな方ではないのですが、まあ、場合によってはありかな。 それはともかく、無茶な設定というのは、馬との出会いもそうですし、まず馬を育てることってそんな簡単ではないんですよね… まあ漫画なのでそれはあまり気になりませんでしたが。 あとは、ロリィは結局貧乏なこともあってハイスクールへは行きませんでした。 それはいいんですが、漫画のラストでロリィはクレオと結婚するんですよ!!そんな年食ってないはずで…せいぜい16歳頃かな…? その前にシベールという子と結婚するハメに陥りそうだったわけですが、ここらあたりの紆余曲折がすんごいんですよ。 少女漫画のトラブルをすべてかき集めたような展開っていうか。 シベールは心臓が悪いんで死にかけるし、クレオは一時ヘリコプター墜落の事故で死んだものとされていたし、ロリィはロリィで失明しかけるし、おフランスにつれていかれておじい様とあったかとおもえばお家騒動にまきこまれ…いやもうお腹いっぱいってくらいありますよ… わたしはロリィの妹のカーラがすごく好きでした。初めて読んだ時からあんまり変わらないかな。 すごくまっとうな子なんですよ。 ロリィに冷たくしていた時期もあったんですが、冷たく仕切れないところも可愛かったし。 母親の薬代を稼ぐために家を出たり、その前には綺麗な髪を売ったりしていました。 ドジっ子だけど一生懸命なロリィの方が主人公としては適任でしょうが、カーラの立場からすると、そりゃいらいらしますよ… しかもカーラは好きになった男の子がどちらもロリィが好きって展開ですからね…最終的にはロリィよりカーラに惹かれたって具合の子、シベールがいて、ハッピーエンドになったけども。 カーラが好きだったので、ロリィとふたりで自宅に帰り母の墓参りを、って話にはほっとしました。 カーラ、いい子やんな… カーラだってものすごく頑張ってるのに、ソツなくいろいろこなせることもあるから、まわりにすこーいと言われにくいし、やたらと同情を得ようとしないんですよ。 姉のロリィはといえば、一生懸命で素直で、うまく立ち回れない不器用さがあり、けれどそれゆえ庇護されやすい。 ロリィはカーラのこと好きなんだってわかるんだけど、これは…ロリィの傍にいるのはきついよね…って思ったわ そしてヒーローのクレオだけど、年齢はわからんけど、でっかい会社の社長職についちゃうんですよ。 いやいやいや…いくらなんでも、学校は? ハイスクールであれ大学であれ、キャラ達が学校に通ってる、一コマもでてきませんからね… 必要ないからとばっさりカットしてるんでしょうけど…さすがに無茶ではと苦笑しましたわ あとは、気楽に海外いっちゃってるけど、パスポートどうしたってなるんですよ。 クレオは金持ちなんでわかるけど、ロリィは? 国内旅行感覚でアメリカからフランスへ飛んじゃってるんですよ…言葉の問題もガン無視です。 ま、まあ…むかしの少女漫画ってそういうとこあるよねっていう。 ただ、やはり勢いがあるので、面白くはあるんですよ。 今だったらがっつり「乗馬」「馬術」に焦点をあてて描かせたんじゃないでしょうか 障害物レースってすごくおもしろいなと思ったんですよ、わたしもたぶんそれで読み始めた。 馬術…オリンピックの協議にもなっていますしね。 障害物をどのようにクリアしていくのか、テレビで見ただけでも馬術は迫力あるし、なによりかっこいい! この漫画でもそうした「迫力」はちゃんと描けてますね。 ど素人だったロリィが特訓の末、大会出場も果たしますし、そこでまさかの妹対決、とかね。 妹のカーラも馬術をやってたとか…ご都合展開もスポーツものではあるあるってやつでしょう。 しかし後半はあまり馬術は出てきません。それが残念でしたね… 馬術の女王といわれたダリアとは最終巻で決着をつけるんですが、それは競技場ではないんですよね。 そこがちょっと惜しいなと思った。 まあ、馬術がメインの話ではないので仕方ないね…でもやはり公式な競技の場で戦ってほしかったなぁと。 とにかく勢い、勢いだけでどんどん話が進んでいくので、細かなことはけっこう端折られてます。 昭和にはこんな漫画もあったんやねぇ…と思える作品ではあるので、読んでみるのもよいかも! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.05.23 21:00:05
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