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カテゴリ:コミック感想
紅天女ではありませんよw いやもういって紅天女こういう話でええやん…ってことはありませんが。 あさぎり夕先生は、ある時期からBLを描き始めていたんですが、この作品はちょうどその時期への分岐点だったんじゃないでしょうか。 いや、もともとBL好きな方ではいらしたので、やっと好きなように描ける立場を得たんでしょう。 この作品はいちおう少女漫画ですが「なかよし」掲載ではありません。 一見すると逆ハーみたいなノリなんですが、一応は一人に絞ります。 ヒロイン・彩香は背中に鳳凰の入れ墨をしょっていて、それを利用しようとする「一味」に狙われる、という展開。そんな中で複数のイケメンが出てくるわけです。 あと「なかよし」でないこともあって、ふつうにヒロインの上半身…半裸とか出てきます。 といって、エロ全開でもなく。 彩香は高校生なんですが肉づきがよくて、全体的にむっちりしてます。 そしてBL好きさんらしいといえるのが、男子たちです。 マッチョが勢ぞろいですよ 巻数も少ないのでかなり強引にまとめた感がありますが、この中で好きなのはしのびの妖子のエピソードです。 妖子は実の兄である「風王」に恋をしてしまっているのですが、一方の風王はといえば必死に理性で恋情を抑えているんですよ。「妹」であることを妖子は知らないはずとおもっていたからなおのこと。 ところが妖子はそれを知ってて恋を仕掛けてきていた。 さらに後、妖子は風王をかばって命を落としてしまうんですよね。それで風王は落ち込むし、妖子を死なせる原因となった炎(えん)というヒロインの彼氏を襲うんですよ、妖子の仇といって。それをヒロインの彩香が責めるんです、風王を。 だれが仇をとってほしいなんて言ったの、仇を取ってすっきりした気になろうなんてふざけないで。安っぽいヒロイズムを気取るな、と。ほかの女を抱くたびに妖子を思い出すがいい、と。 めっちゃジコチューで激しい主張なんですが、ここがすごく好きなところなんですよ。 納得しかねぇっていう。 仇なんぞうってすっきりしようなんてムシがよすぎるってなもんですよ。 恋する女は怖いんだぞ。 恋焦がれてもだえ苦しみ続けることの方こそ望むっていう。 「命がけの代償が惚れた男の腕の中なら決して悪くない」 っていうね。 「恋」の激しさをテーマにもしているので、この烈火のごとき恋情にはすごく納得がいくんですよ。 ラストは、結果的にはハッピーエンドではなかったし、大きな陰謀などは描かれることなく収束しました。物足りなさはあるけれど、まあこれが限度だったんじゃないかな。 作者さんはわりに気の強いヒロインが好きなようなんですが、初期は逆の、いじいじめそめそしたヒロインが多かった。その反動がきてるっぽいなーと思いながら読んでました。 この話よりだいぶんまえに「あこがれ冒険者」というコミックがあってそのヒロインのみいはけっこう強気で活発な子でしたけどね。 男の子は筋肉バカというか、あほの子があいてになる傾向が強い…かも? まあ、いろんなタイプを描けるってのはさすがの実績と言わざるを得ないし、男子のキャラを見てるとBL好きそうだなってのもわかりますね。 わたし自身はBLが受け付けないので、この方のBLはまったく読んだこともありません。 思うと…意外なことにこの方の描く男子きゃらって、あまり好きだなと思う子がいないんですよね… 漫画は好きだったけど、これといって惹かれる男子がいないというか。 脇役にはたまにいましたが。 やはりBL苦手なのは伊達じゃないなと気づきましたわ。 今では入手も困難なのかなかなか見かけませんが、一度読んでみてほしいコミックではあります。 紅天女ではなく、伝説です。 そして壮大なストーリーではありませんのでその点もご留意いただければ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.06.21 22:00:04
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