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カテゴリ:コミック感想
う、うーん…面白いとは思うんですが、わたしの好みではなかったかな、という。 絵はかなり上手いですのでその点はさすがというか、お勧めできます。 好きな絵柄でもあるんですが…どうしてもヒロインが受け付けないんですよね… といっても、ヒロインのシャーロットの性格がどうのというわけではありません。 ただ、これって「悪役令嬢転生」の亜種なんですよね…それがわたしの好みではなかったというだけのことで。 つまり悪役令嬢に転生って、「楽してチヤホヤされたい」が根底にある内容なので、そんな主人公に対してどう好感を抱けっていうんだろう、と思ってしまうんですよ。 この話は「転生」ではなく、記憶喪失で悪逆だった聖女の頃の記憶はない、という設定。 つまり、記憶喪失前のシャーロットとは別人格になってしまってるんですよ。 別に「二重人格」ものってのはあってもいいと思うんですが、何が気持ち悪いって、シャーロットには「反省」がないんですよ。 記憶喪失になったのを言い訳にしちゃいけないとか言って夫のオズヴァルトの気を引こうと頑張るんですが… あくまで記憶喪失であって、悪逆聖女のシャーロットとは同一人物なんですよ…いえ、たとえば同一人物じゃなかったとしても、かつてのシャーロットがやってきたことって事実なんですよね? もちろんそれが「嘘」だってんならそれでいいんですよ。 記憶改ざんされていて、実は「悪逆」なんかではなかったという真実があり、真の人格は記憶喪失になって目覚めたシャーロットだった、というのならそれでもいいです。 そういう展開はかなりおもしろそうですしね。 こういう「嘘と真実」が逆転してるとはやいうちにわかるようなにかしらのにおわせがあるのなら楽しめましたが、ただただ、シャーロットいい子ちゃんですぅぅぅなアピールしかないんですよ。 ここがとにかくうけつけないし、もったいないとも感じました。 わたしが「悪役令嬢転生」ものが苦手なのは、上でも書きましたが、楽してチヤホヤされたい、というのが透けっすけだからなんですよ。悪役令嬢ってのは基本が「美人」です。おきれいな令嬢というかなりいいスタートをきれてるわけですし、そこから悪いことをしない…ではなく、ごく普通に行動していれば、それゃぁ、美点のように語られますよ。 つまり、かなり「楽」なんですよ。 今までと違う、ちょっといいことしただけで、かなり加点…しかも三倍くらいの加点がされるっていう。 つまりは「チート」「不正」なわけですよ。 このコミックのヒロインのシャーロットにしても、別人格になってきゃぴきゃぴしてるだけとはいえ、「それだけ」でヒロインの株は爆上がりなんですよ。 こんなのズルでしょう? しかもシャーロットは記憶喪失以前の自分を反省し、今までの報いを受けなければとへこんだりもしないんですよ。 もうほんとにただの「別人」で、一目ぼれした「夫」に気持ちを押し付けるだけで、かつての自分の所業を確認しようとすらしないんですよ。 記憶喪失であることを隠すのは、この場合悪手だと思うんですよ。 もちろんオズヴァルトが信じるか否かは彼次第ですので、この場合、彼の気持ちは関係ない。 シャーロットがかつての自分を顧みないのって、なぜなのかがわからない。 なぜ自分はあんなに根性が曲がっていたんだろう。そしてなぜ今の自分にはその加虐性がないのだろう…いつかまたかつての自分に戻ってまわりを苦しめるかもしれないという恐れは…? そういう葛藤がまったく見られない中で、ひたすらコメディ調に夫大好きキャーーッてなるのが、もう、気持ち悪くて…絵が可愛いだけになおさらですよ。 オズヴァルトにしてもなんらかの事情があり、苦悩を抱えているのはわかりますが… コメディ調とのやりとりとのバランスが悪いんですよ。 そもそもなぜ記憶喪失のシャーロットをそのまま放置しておく? 調べなさいよ…というかほだされるのが意味わからんすぎる。 いや、絆されてきゅんとなっても別にいいんですが、早すぎるんですよ。もうちょっと時間かけて? シャーロットの本質がどちらにあるのかわからないのに、あざといシャーロットのポージングみてむねきゅんとか、……下半身でものを考えるんじゃないよ…正直キモっとおもってしまった。 絆されていくのをもうちょっと丁寧にゆっくり描いてほしかったです。 ほんとにね、絵がうまいもんだからもったいないしかないんですよ。 せめて一巻はまるまる警戒していてほしかった。 さくさく話は進んでいくんですが、進んでいくごとに主人公二人を好きになれなくなっていくんですよ…なんつーかほんともったいない。 シャーロットはとある重要な人物と出会うわけですが、そこのエピソードはよかったんですよ。 自分にあるのは夫への恋心だけだ、という表現はよかったし、納得がいく。 でも、かつての自分を上辺的にも知りながら、どうして夫に好かれようと思うのかがわからないんですよ。 まずは今までの自分を猛省して、スタート地点に立とう、好かれたいと思うのはそのあと、となるならわかるんですよ。 タイトル通り「役に立ちたい」と願うのなら、ある意味で「反省」したうえで「贖罪」の行為と言えなくもないですから。 シャーロットが実は二人存在するのか。実は記憶を失ったシャーロットが真実のシャーロットであり、同一人物なのは間違いなのか、このどちらかだけでもかなり印象はかわります。 根性悪のシャーロットが別にいて、真シャーロットの意識と体を乗っ取っていた。 という設定なのだとしたら、初期段階で「謎」チラをしておいてほしかった。 何かしらのトラウマで人格が分裂、つまり多重人格者になってしまったというのなら、そこもチラみせは必要だったでしょう。 そして見た目はシャーロットだが、別人にすり替えられたのかと、なぜオズヴァルドは疑わないのか。その可能性は低くすぐに否定できるものだとしても、「明らかに別人格だ」と思わせるエピソードとしてありだと思うんですよ。でもそれすらしず、目の前にいるシャーロットをそのまま受け入れてしまっているんですよ。 記憶喪失だと気づいた時点で、オズヴァルトは次の行動に移るべきなんですよ、つまり、シャーロットの「過去」、実態について詳細に調べるといった。家庭環境でもなんでも、人格が分かれ、しかもそれがかなり違うとなれば、別の何物かが憑依した可能性だってある。 魔法「神力」の質が全く同じで、別の人間である可能性は低い、と思ったのなら、それも描いてほしかった。 つらつら書きましたけれども。 つまりは「二重人格」ものとして扱うには描写が足りないんですよ。 そしてシリアスなのかコメディなのか、どっちつかずで、思いにシャーロットのきゃぴきゃぴが、悪い意味で浮いてしまっている。 これねー…二重人格というか多重人格ものだったら面白かったと思うんですよ。 なぜ「多重人格」が生まれるのか、というのは心理学的にも興味の尽きないテーマですよね? そこをフックに話を広げていけばよかったのに、なんかこー…つまんない溺愛ものになりそうで…あとはヒロイン無双かな? ほんともったいないな 絵がね、ほんとにうまいんですよ。 下衆な王子の下衆顔はきもくて…某おじいさんは素敵なおじいさまだし…迫力のある絵もあれば、可愛い絵もあるし…描くの慣れてそうな漫画家さんだと思います。 絵だけでいうならお勧めできるんですが。 悪役転生令嬢系好きな人なら楽しめるかもしれませんが、ヒロインのオタク女子みたいなノリについていけないところもあるかとは思うのでその点は要注意かな? わたしには合わない話ではありましたが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.11.13 22:11:02
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