|
カテゴリ:コミック感想
なろう系令嬢もの「花とゆめ」出張版、ですかね… とくに面白さは感じませんでしたが、不快さもほぼないです。絵は丁寧というか繊細な感じですので、ぱっと見た目には令嬢ものの雰囲気に合っていそうですが、そんなこともないかなーと感じてしまいます。 なんつーか、これ、令嬢ものとしてはすごく薄味かな…まあ、慣れてないだけかもですね。 というかですね「姫」??? 将来的に「姫」になるからなの? 最初は姫じゃないですよね? いや、この「姫」が「お嬢様」という意味でつかわれているのなら…いやでも「プリンセス」ってあるしなぁ? ま、まあ、将来的にはルイス王子と結婚して姫になりますよーという、タイトルでのネタバレってことでいいかな。 それはともかく、わたしがこれを楽しめなかったのは、「所詮なろう系令嬢まんがだから」ではないんですよ。 なろう系令嬢もののコミックだって好きなのはありますし、面白いものもたくさんありますからね。 これだって、たぶん編集さんはそういう鳴り物入りで出してきた漫画なんでしょう。 でも、悪い意味で「所詮なろう系令嬢もの」でしかないんですよ。 ともかくね これ、なんで日本人転生ものにしちゃったんでしょう。 日本人転生知識無双したいのはわかりますが、はっきりいってその設定が邪魔です。 そもそも、ヒロインのエレナですが、日本人だったころ、農業に目覚めて農業人になるんだぞーと夢を描いていたわけですが、その理由が弱すぎるんですよ。 せいぜいがガーデニング程度の知識と体験でしかないわけですからね。 で、若くして死んで、貴族(爵位を金で買ったのでどちらかといえば成金令嬢)転生して、土いじりしたいけど婚約者がだめだっていうし貴族は土いじりなんてしない…らしいので、せっかく健康に生まれついたのに農作業できないとかいってるんですよ。 いや…うーん…? 脱走した先で王子と出会って農作業知識ひけらかして、認めてもらえたキューンしてますが、なんかこう…きゅーんとしないんですよ。 なぜ日本人転生がよくないかって、わたしがその設定を毛嫌いしてるからというのももちろんありますが、日本人知識無双といったって、エレナがいる「世界」と「日本」では、世界の土壌が違いすぎて、日本で通用したことがエレナのいる「異世界」で役立つかどうかわからないからなんですよ。 だって、「異世界」にはドラゴンもいれば、一日で芽吹いて育つ豆があるんですよ。 そんな世界において、日本での農知識があてはまるなんてこと、あります? そしてね、なんとも中途半端に感じたことがあって… エレナや王子ルイスらのいる「世界」、それらの世界観設定はすごく「異世界風」なんですが、 そこにいるおおよその人物たち、とくにルイス周りにいるキャラ達の「価値観」がものすごく「現代日本風」なんですよ。 つまりね、エレナが異世界からの転生者である必要性がすごく低い。 こういう転生であれ異世界召喚であれ、「日本」とは違う世界観や価値観があるからこそ、主人公って苦労したり活躍したりするわけじゃないですか。 でも、エレナは冒頭、ただのいつもの不遇ヒロインでしかなく、農作業などについてはたしかに詳しいけれど、それってべつに現地の人たちが試行錯誤すりゃ誰でも考え付く程度の知識でしかなく、エレナスゲーーーとはなりにくいんですよ。 キャラ達が現代日本人の感覚すぎる、というのは言葉の使い方からしてそうなんですよ。 エレナの婚約者がエレナを平手打ちするんですが、そこで周りのモブたちが、DV男だのと騒ぐんですよ。 ドメスティックバイオレンス…これってそこそこ新しい思考なんですよ。 ルイスもルイスで、暴力や体罰は罪だみたいに言いますが、「体罰」って… いやあのですね? ドラゴンがいて、そのドラゴンが暴れまわって町ひとつを焦土にしてしまうような世界で、…なんつーか、甘いんですよ… 無抵抗の女性に暴力を振るうなど貴様はそれでも貴族紳士か、と𠮟りつけるならまだしもわかりますよ? 罪とかどうとかではなく「倫理」の話として𠮟りつける方がまだしも納得感が出るんですよ。 ちなみに。この婚約者とのいざこざの話はそこそこひどくて、ルイスがエレナのことを救うために恋人の振りをする、その証拠に口と口のキスを見せつけるんですよ、クズ婚約者に。 んーーー? いやここ、最悪、「不貞」の現場を目の前で見せられたと、エレナに対して慰謝料請求、不貞の罰として拘禁、もちろん婚約破棄はしない。という流れを作ろうと思えば作れてしまうんですよ。 この安易なキスシーンのなにが悪いって、ここでもエレナがもと「日本人」だった要素が足を引っ張るんですよ。 日本人が、大勢の人の前でキスできます?もちろん自分からではないにしても、それをされて動揺しないとかありえます?年頃の娘なんですよ? そしてなんで安易に目を閉じちゃうの? いやまあ、目をつむって、と「命じられて従った」まではいいけれども、なんかここの流れがとにかくおかしいんですよ。 ここも、なろうの「婚約破棄」ものの悪いところを踏襲してますよね? 婚約者が無事に婚約破棄してくれたのはただのラッキーというより、作者の「意図」でしかないので、ものすごくつまんない展開です。 あと、ドラゴン襲来の話もなんかね…… まあ、この作者さんでは描けなさそうな絵だなぁ、と。緊迫感が全くないんですよ。 ただ頑張って書こうとしてるのは分かるので、まあ、さっさと終わったし、どうでもいいかな。 この作者さんが令嬢ものに向かないな、というのはここらにもあって、噴飯ものだったのが「馬車」です。 あのですね… 砂漠ですよ? あの砂漠を、あの形状の馬車で進むんですね? せめてこう…岩場とか選んで進むとかならいいんですが。 二頭立ての馬車…かな? なんで四人も載ってんの、馬車。 馬たんつらすぎ… かたい砂地であったとしても、馬にひかせるのではなく、せめて牛…そして荷車に屋根をつけたくらいのやつでいいんですよ。車輪はもちろんあっていいんですが、あんな四輪である必要ない もともとが砂漠地帯でないのだから「ラクダ」はいなくても当然なんですが、牛くらいはいるのでは? というかほんともう、どういう「砂地」なのかもあまり考えてないと思うんですよ… 世界観のつくり込みの甘さがちらちら見えてしまう感じがして、このあたりは惜しいとしか。 世界観というか、「土」がメインの話だろうに、そういう細かなことに気を配ってないので、面白くないんですよ。 砂漠だって育つ植物はあるとかエレナは言いますけれど、その前にドラゴンによって「焦土」となった砂漠がいったいどういう性質のものかわかってないのに、その発言は無責任すぎでしょ? そしてドラゴンなんて日本にいなかったんだから、知識無双できないんですよ。 ここでも日本人転生が足を引っ張ってるんですよ。 このあと、国の要請で砂漠となった町にいた住人たちは「移住」をさせられるわけですが、それをエレナは必至で止めるわけですね、ともに復興しよう、と。 ここもちょっとバカらしくて、というかエレナが悪いんですよ。 あんなちゃらちゃらした格好で、しかも口先だけの復興しましょう、みんな力を貸してくださいゆーても。 説得力ないんですよ。 まずはそのちゃらちゃらしたドレスを脱げよ、やる気あんのか。 ルイス王子だったら引き留められたかとも、という以前の問題なんですよ。 まずは現実的に必要な水と食料をあらかじめ用意し、民衆らに提供する姿勢を見せたうえで、説得しろって話なんですよ。 口先だけなら何とでもいえるでしょ、としか。 なので、ここって別に描かなくてもいいエピソードだったと思うんですよ。 国が民を移住させたにしても、それは現状では致し方なのないことで、エレナはそこから土地の再生に向けて努力し、そこから民衆たちに戻ってきてと声をかければいい。 誰もいなくなってしまった土地だけど、私たちはここで頑張って開墾し、もとの平和な街を取り戻すため奮闘しよう。という場面だけでいい。 そしてあらためて「ドラゴン」についても研究しなおさねば、と課題をひとつ持ち上げればいいんですよ。 そこからルイスと恋仲になっていけばいいだけのことです。 で、この流れで、日本人転生の必要性、ないですよね? つまり、要らないんですよ。 エレナの父親はせっかくよその国から来た成金なんですから、エレナは他国でうまれ、父の商才を学び、知識を蓄えた、でいいんですよ。 国によって常識は違う、という態でいい。 エレナはドラゴンについてほんと知識がないんですねーみたいなことをキャラに言わせてしまってるんですから。それは他国から来たからってことで納得されるんですよ。 ちなみに過呼吸についてだってそうです。 兵士がそうなってるのをよくみるとキャラが言っている以上、おおよその原因は分かってるんですよね? なら、そんなの日本人知識なんてとくには必要ないんですよ。 なろうの悪いところばかりを選んで描いているのかってくらいです。 絵に関しては、上でも言いましたが、下手ではないけれど、こういったファンタジーには向かないかも、と感じます。 歩いてくる動作もあまり効果的には描けてなくて、カッカッカッの足音だけが書かれてて、なんつーか、よくわかんないんですよ。 ま、まあ、最初はそんなもんかな? はなっから上手い漫画が描けるわけではないですものね。 キャラ絵自体はふんわりしてる可愛い系なので、好まれそうな感じはあります。 わたしもそこそこ好きな絵柄だなぁとは思いましたしね。 ただ、ルイス王子はあまり好きになれませんでした、というか、よくわかんない系男子かな? 腹黒でもなく、ふんわり不思議系男子? 中途半端に腹黒感だしてるのがなんかモヤっとはする… エレナの婚約者のクズ男くんがこのルイスを嫌う理由はなんかわかるんですよ。 ぶっちゃけ、ちょっとうっとうしいですよね、こういう何考えてんのかわかんないくせに女にはいい顔して、僕は何でも知ってます面される男。 そういう風に見えてしまうんですよ。 不快とまでは思いませんでしたが、かっこよさを感じないんですよね。 といっても、これ、キャラ全員がそうなんですよね。ちょっと問題かも? いいなぁと思えるキャラが1巻の時点で一人もいないって、マズいと思うんですよ 魅力的なキャラが一人もいないので、先を読み進めたいと感じなかったし、わたしは実際そこで閉じました。先を読むことはないと思います。 これ、2冊というか2巻程度で終わらせておくのがいい話だと思いましたよ?長々続けるほど面白い話にはとても思えませんでした。 とはいえ、なろう系令嬢ものの花とゆめ版としては、そこそこ読めるんじゃないでしょうか? なろう系お好きで日本人転生も気にならないという方なら、読んでみても良いかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.01.11 21:00:05
コメント(0) | コメントを書く
[コミック感想] カテゴリの最新記事
|