猫のオトヒメ騒動記

2018/08/18(土)21:55

伝われ、愛

オトヒメ(919)

昨日から、急に暑さが和らいで、ようやく身体が楽になって来たけど、 今年の酷暑は凄かった。 毎日午前中から30度を超えてるし、 夜でさえも生ぬるい空気が身体を包むような感覚で、 早く涼しくなってぇ~って気分。 7月の最後の週だったと思う。 宵の時間に、自転車に乗ってドラッグストアに出かけた。 オトメがいた頃は、この時間に通院していたんだっけ。 ・・・なんて考えながらペダルを踏み、 あるお宅の横を通り過ぎようとした時、 建物の脇から2匹の猫が出てきた。 暗くて、模様はすぐには判らなかったけど。 猫の横を通り過ぎた刹那、1匹の猫が鳴いた。 「アギャァ」 「・・・?」 驚いて振り返ったら、 並んでこちらを見ていた2匹が、路上に出てそのまま横断していく姿が見えた。 そういえば、オトメを連れて本間獣医科医院に通院していた頃、 待合室に5個ある里親募集のケージには、 いつも猫さんが1匹ずつ入っていて、 私は、そこで待つ間、ケージの中の猫さん達と話すのが習慣だった。 里親募集の猫さんは、模様も性別も年齢もいろいろ。 元気に動くコもいれば、大人しくじっと見つめるコもいる。 新しく仲間入りしたと思ったら、 すぐに里親さんのところに行ってしまうコは、 たいていは仔猫。 仔猫の人気は、そりゃ凄い。 ケージに入ったその日から、待合室に来る飼い主さん達の注目を浴びるもんね。 仔猫が仲間入りした日と、仔猫が里親さんのところに行った日は、 残りの成猫さん達の元気が少しなくなる。 そんな日は、いつもより沢山話しかけて励ますけど、 やっぱり24時間ずっと広いお家で暮らしたいよねぇ。 ある日、冬だったと思うんだけど、 ケージに長く住んでいる猫さんに言ってみた。 「ここはいつでも暖かいけど、外は凄く寒いよ。」 猫さんが答えた。 「外は寒いけど、家の中は良いんじゃないの?」 会話はもちろん猫語である。 さらに話し続けた。 「ウチは外よりは良いけど、ここよりはずっと寒いの。」 「え?あいつ(オトメ)、そんなところに住んでいるのか?」 「そう。コタツはあるけどネ。」 「ああ、そういうのはあるんだろうけど。」 「夏は夏で、暑いのよ。」 「それなら、此処にいても良いのかも。」 「そう、そうかもネ。」 この会話、冬だったのか夏だったのか、実は憶えていない。 夏なら、「外は暑いよ。」って話し始めて、途中で猫さんが、 「そういえば、あいつ(オトメ)は、冬はジャケットを着てくるよな?」 なんて言っていたのかも知れない。 後日、看護師さんから、 「最近、里親募集の猫同士で  『外は暑かったり寒かったりするらしい』と会話しているみたい。」 と聞いた。 「一旦、里子のトライアルに行って戻ってくるコや、  外で暮らしてから来るコもいるので、判るのかな?」 なんて、話していたんだけど、、、。 自転車で通り過ぎた時に出てきた猫さん達は、 本間獣医科医院から来たコだったのかな。 「熱いっ!」って言いたかったのかも知れないけど、 猫が精一杯しゃべったら、「熱いっ!」が「アギャァ」になったのかな。 「そっちに走って行くんだったら、  ケージの仲間達に、外は物凄く熱いって、伝えてニャ」 って、言ってくれたのかな。 まさか、その日、お家に入れなくなって、 助けてって言いに出て来ていたんじゃないよね? なんて、後になって心配になってしまい、 その後、同じ場所を通る度に、少しスピードを落として気にしているけど、 あの日以来、2度と姿をみかけない。 ケージにいる猫さん達にメッセージを伝えたくて、 あの熱い夜にわざわざ出てきてくれたのだろうか。 だとしたら、暑い夏に、かなり爽やかな気分になったエピソードである。 本日のSubjectは、30年以上前に出版された本の題からいただきました。 中島みゆきさんのエッセイ集。 発売されたと同時に、書店に並んでいるのを見に行ったけど、 購入したのは、そこから1か月くらい後だった。 奥付をみると、 1984年2月29日五刷 となっている。 発売日が同年の2月5日だから、24日間で4回再刷したことになる。 当時のフィーバーぶりが懐かしい一方で、 私自身は、呑気に初刷を逃して、閏の日の刷を手にして喜んだことを思い出した。 上部焼けや製本のほつれで、かなり傷んでいるものの、 今でも私の本棚に、名だたる作家の小説と一緒に並んでいる大切な本である。

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