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カテゴリ:研究
舌には味蕾という味覚細胞があります。教科書的にいうと、食物等から溶け出した化学物質がこの細胞に作用することで、人間は味覚を感じるのです。実際、真菌症などで、舌表面がコーティングされたりすると、味覚は鈍くなりますし、もっとかんたんに言えば麻酔薬を口に含ませてしばらくすると味は感じなくなります。もちろん亜鉛の不足や、鉄分の不足など、全身的なことが理由で味覚異常をきたすこともあります。
ところが、同じ味でも人が違えば美味しく感じる場合とまずく感じる場合がある理由は全くわかっていません。味覚の好みの理由もわかりません。ここのところは全くといってよいほど研究が進んでいないのです。head&neckの科は味覚異常の患者さんも来院されますが、原因がはっきりしている方はほんの一握りです。こんなとき、患者さんも困っていますが、医者のほうも途方にくれます。「いままでは味噌汁がおいしかったのに、あるときからまずく感じるようになった。どうにかしてくれ」と言われても・・なかなか有効な決め手はありません。 不思議と、経済的に恵まれない国の人には、このような訴えは少ないそうです。他にもっと重大な病気を抱えているとか、味覚よりもまず飢えをしのぐことが優先するとか、そもそも味覚に対する認識なんてどうでもいいのか、それはわかりません。戦乱のあるような地域でファッションを気にする人が少ないのと同じ理由かもしれません。 とすれば、味覚異常はもしかして贅沢病なのでしょうか?味覚異常のある患者さんを、3日間のまず食わずの状況に追い込んで、それから食事させればなんでもおいしく感じるかもしれません。 ・・でも、そんな治療法はできないだろうなあと思ったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.09.08 18:16:11
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