臨床の現場より

2008/02/26(火)22:46

国際学会

研究(8)

 学会というのは、我々医師にとって最新の知識を仕入れる場所であり、自分の成果を発表する場であり、遠方への出張の楽しみでもあります。  小規模なものは同じ市内や県内の医師だけで行われる研究会で、土曜の午後や、時に平日の夕方や夜から数時間の短いセッションで、多くは製薬会社の協賛がついていたりします。  少し大きなものになると、地方会と呼ばれる定期的な学術集会で、たとえば外科、内科、小児科、その他のほぼ全ての科には元締めの日本~科学会というのがあり、その下部組織が県ごとにありますから、東京なら日本~科学会東京地方部会、といった具合に、まあ年に2、3回の割合で開催されます。場所が決まっていることが多いようです。  さらには、それがいくつか集まった関東地方連合会とか、中部地方連合会といった、やや規模の大きな学術集会もあります。これは概ね年に1度、各県の地方部会が持ち回りで開催するようです。  全国学会になると、上に述べた日本~科学会というのが各科の一番大きな学会ですが、その他に関連する学会としていくつか開催されます。head&neckは耳鼻咽喉科ですが、関連する学会は、日本耳鼻咽喉科学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本耳科学会、日本鼻科学会、日本気管食道学会、日本頭頸部癌学会、日本頭頸部外科学会、日本小児耳鼻咽喉科学会・・・きりがありません。さらに、実際の専門分野に近い他科の学会に2.3所属しており、とうてい全てに参加するわけにも行きません。結局、日程と開催地を決めていけそうな学会に年数回参加することになります。まあ以前にも書きましたが、いくつかは統廃合しても良さそうなものもあり、お偉方が学会長をしたいためにたくさん集会を増やしてしまったという弊害があるというのも事実ですが、学会で話を聞かないととよその施設での治療や、自分たちが行っている治療が標準的なものかという判断の把握が出来ませんから、それなりに意味はあります。  国際学会というのは、世界中からその分野の専門の医師が集まって発表します。現在はインターネットが出来て、随分手続きが簡単になりましたが、head&neckが医師になった頃は大変でした。雑誌で学会の告知があれば、まず国際郵便で問い合わせをし、faxを使って(言語に堪能な先生は直接電話してましたが)書類を取り寄せ、さらには抄録を送り、銀行で外国の口座にドルやユーロで代金を振り込む。もちろん全て英語・・。大仕事ですね。したがって主催者側も参加者も準備に1年以上かかりますから、数年に一度というのが恒例です。その習慣が今も残っていて、毎年開催される学会は少ないようです。  head&neckは9月にイタリアで発表するので、いまその準備に悪戦苦闘しております。手続きがネットで簡単になったと言っても言語の壁は厚いです。  ←本日も参加中。一日一回クリックを。

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